2013年給与動向 第1回 在台日系企業給与水準


2013年7月16日14:11  リサーチ 経営 人事労務

2013年給与動向 第1回 在台日系企業給与水準

記事番号:T00044763

 ワイズコンサルティングでは毎年6月に在台日系企業を対象に給与調査を実施している。今回は本日より5回にわたって調査結果の内容をお伝えする。当レポートが御社の昇給や給与水準調整の参考としてお役に立てば幸いである。

 今回の調査では合計161社の日系企業からご協力を頂き、給与データでは7,778人分のデータを預り分析した。調査対象者については表1にて確認していただきたい。

 調査結果では、2013年の在台日系企業全体の平均月額経常性給与は3万8,893台湾元となった。台湾全体平均の3万7,508元より若干高くなっている。(※月額経常性給与とは、毎月経常的に労働の対価として支給されている給与を指す。内訳の例としては、▽基本給与▽手当(役職手当、職務手当、食事手当等)──等が含まれる。なお、時間外労働手当や報奨金、賞与のように毎月経常的に支給されていないものは含まれない)

 しかし、ここ数年、日系企業の給与水準は低下している。図1をご覧いただくと、日系企業の給与水準は台湾企業に近づいてきていることが分かる。世間一般から見て日系企業の給与水準は高いイメージがあるが、近年その給与プレミアムは縮小してきている。

 その理由として、下記の3点が考えられる。第1に台湾企業、特にIT業界ではストックオプション制度を導入している企業が多い。社員には給与以外に自社株を支給し、社員でありながら配当を得られる仕組みとなっている。日系企業はストックオプションを供与できないため、良い人材を確保するために台湾企業がストックオプションで払う分を給与で支払っていた。しかし、08年に実施された株式配当の費用化によってストックオプションの優位性がなくなり、日系企業は給与プレミアムを払う必要がなくなってきたことが挙げられる。

 第2に、不景気が長期化し、日系企業は無駄な人件費を払えなくなってきたことが指摘できる。

 第3に、情報の透明化が考えられる。

 弊社では毎年給与調査を行っており、今までブラックボックスになっていた給与水準が明らかになってきている。情報収集が容易になったため、給与が適正な水準に修正されてきていることも考えられる。
地域手当支給で解決

 続いて、地域別給与水準(図2)を見ると、北部と南部の給与格差が大きいことが分かる。特に年収は、高雄市と台北・新北市では25万元もの開きがある。

 日本では企業内で頻繁に転勤があるため、各地域の物価水準に合わせて給与基準を変更する企業が多い。しかし、台湾は面積が小さいため、日系企業で各地域に拠点を置く企業は多くなく、地域に合わせて給与ベースを調整する企業も少ない。そのため、体系的にではなく、転勤等の事情が発生するたびに、社員の要求に合わせて給与を調整するケースがよく見られる。だが、このような対応には大きなリスクが潜んでいる。台湾の法律では原則的に社員の給与を引き下げることはできない。そのため、物価水準の高い地域への転勤に伴い、一度社員を給与を引き上げてしまうと、元の勤務先に戻しても給与は元の水準に戻すことはできない。

 柔軟性のない台湾の法律に対し、弊社でよく提案するのは、給与体系に地域手当を加えておくことだ。物価水準または給与水準の高い地域へ異動させる際に、別途手当を支給し、当地域から離れるとともに地域手当を外すような対応であれば、法律に違反することなく、社員も納得しやすい。なお、地域手当の金額を設定する際に、図2にある地域別の給与差額を参考にしていただきたい。

 次回は日系企業と台湾企業の昇給事情についてご紹介する。

☞ 2013年給与動向 第2回 日台企業昇給事情

2013年給与動向 第3回 在台日系企業の離職率

2013年給与動向 第4回 初任給の日台比較

2013年給与動向 第5回 日系企業の福利厚生事情

 

日系企業給与動向

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