2013年給与動向 第3回 在台日系企業の離職率


リサーチ 経営 人事労務 作成日:2013年7月17日

日系企業給与動向

2013年給与動向 第3回 在台日系企業の離職率

記事番号:T00044817

  行政院主計処の統計によると、同一企業における平均勤続年数は5.8年で、業態別で見ると製造業が6.5年、貿易卸売・小売業が5.5年、サービス業が5.2年である。長年終身雇用制度が継続されていた日本社会と違い、台湾ではジョブホッピング(好待遇、好条件を求めて転職すること)がごく普通に見られる。今回はそれに関連する離職率についてご紹介する。

 

貿易卸売・小売業が最も高い離職率

 今回の調査で用いた離職率の計算式は下記の通りだ。「当年度の離職者数÷(年初従業員数+年中入職者数)×100%」図1の通り、日系企業の平均離職率は9.6%で、業態別で見ると製造業が比較的安定しているが、貿易卸売・小売業は平均を上回り、離職率が最も高かった。

 離職率の高い企業の特徴を特定するため、離職率と企業の業績、利益、給与水準、労働条件等で相関分析をしてみた。次に、離職率と相関性の高い項目を一部抜粋して紹介する。まず、離職率と企業売上高の相関性について、図2を確認していただきたい。売上高が増加している企業ほど離職率が高い。業績が伸びている企業は、社員への要求が高く、業務負担も大きいため、離職につながったのではないかと想定できる。

 次に、離職率と給与水準の相関指数を計算したところ、ある程度のマイナス相関があることが分かった(図3)。離職の理由で給与は全てではないが、今回の調査では、日系企業において給与水準が高い会社より低い会社の方が離職率が高いという現象が見られた。


戦略層の人材が薄い日系企業

 弊社はコンサルティングの中で、よくクライアント様から「中間層に辞められて困る」というご相談をいただく。先ほどご紹介した給与水準と離職率の相関性から判断し、中間層が抜けるという現象も給与に関連しているのではないだろうか?図4をご覧いただくと、日系企業の現状がうかがえる。

 折れ線グラフは日系企業全体の勤続年数別の給与水準を表している。勤続1年未満から5年未満の間、給与はほどんと横ばいだ。新卒で入社したとしたら、5年後はちょうど30歳前後になる。台湾の習慣から、30歳前後は結婚等の人生計画を実現し始める年齢だ。しかし、5年間勤めても給与はあまり増えず、将来に不安を感じてより良い条件を求めに転職してしまう人が多いのではないかと考えられる。

 実際に、グラフの下にある各勤続年数に該当する社員の割合はこの仮説を証明している。勤続5年未満の社員は4割以上いるのに、勤続6年から10年未満の社員は全体の2割も達していない。本来なら、同一の会社で5年間勤めてちょうど戦力になるところだが、日系企業では戦略層の人材が薄いようだ。

 

2013年給与動向 第1回 在台日系企業給与水準 

2013年給与動向 第2回 日台企業昇給事情 

2013年給与動向 第4回 初任給の日台比較

2013年給与動向 第5回 日系企業の福利厚生事情

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