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【ワイズリサーチ】台湾機器設備製造業界における
主要メーカー比較


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2013年8月1日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】台湾機器設備製造業界における
主要メーカー比較

記事番号:T00062460

2013年1〜5月、多くのメーカーの連結営業収益が如実に下落した。特に工作機械と汎用機械のメーカーらは深刻な経営難に直面している。一方、専用機器設備メーカーは2013年1〜3月で比較的好調に収益をあげた。

 主要業者の経営パフォーマンス全体に着目すると、世界的経済不振と内需低迷の影響をうけ、2013年1〜5月の収益は2012年の同時期に比べ、減少傾向となった。(表一参照)

 工作機械に関しては、協易機械のみが連結営業収益を増加させており、他のメーカーはすべて経営状況が芳しくない。特に喬福機電が最も深刻な状況にあり、その他鑽全、亞崴、程泰、福裕、台湾滝沢などの企業も収益が一割以上も減退した。汎用機械でも、多くのメーカーが連結営業収益を低落させている。しかし永大は中国の二流都市、三流都市における開発ラッシュに乗じた需要拡大の恩恵に与り、連結営業収益を年間成長率41.88%増の73.68億元とした。専用機械の分野では、一部の国内業者が設備支出予算を拡大したおかげで、連結営業収益を増加させた電子設備メーカーも出現した。特に年間成長率99.49%の東捷が目覚ましい発展を遂げており、他に恩徳科技や盟立も一割増の成長率を記録した。また、低い基準期間の影響をうけて、高林股と巨庭の連結営業収益もアップした。多くの工作機械メーカーで連結営業収益が下落したため、2013年1〜3月の当期純利益は前年より落ち込んだ。一方、専用機械の分野では、錩泰と富強鑫を除いた業者の当期純利益で力強い成長が見られ、赤字から黒字に転じたメーカーも出現。汎用機械の分野では、永大、震旦行、互盛、連宇が当期純利益を好調に伸ばしたが、上銀、崇友、瑞智、至興は成長が減速傾向にあり、東友はすでに赤字に転落しまっている。


 

主要メーカー概要紹介
 

程泰機械股份有限公司(程泰)
1、会社概要:程泰機械股份有限公司(GOODWAY MACHINE CORP.)
本社所在地:台中市西区協和里工業区
五路13号
電話:(04)2463-6000
設立:1975/09/28
上場:2008/01/24証券コード:1583
資本金:9.80億元(2013年7月)
取締役会会長:楊徳華
ゼネラルマネージャー:許福助
有力株主:楊徳華(40.49%)、楊舒涵(6.43%)、致遠投資股份有限公司(6.34%)、楊慶豊(0.36%)、許福助(0.26%)、康剣文(0.22%)、游勝全(0.17%)、謝秀芬(0.15%)、張志宏(0.13%)、陳連成(0.12%)。(2013年6月)
主要再投資:程泰機械(蘇州)有限公司(100%)、程泰機械(呉江)有限公司(中国)(100%)(2013年Q1)

※データベース:公開資訊観測站

2、会社運営状況
 主にCNC旋盤、横旋盤機などの大型工作機械を生産している程泰は、台湾CNC旋盤業界の大手メーカーの一つであるが、需要低迷の影響から2013年より国内受注数が急激に下落、至急注文を主要な業務としたため、2013年1〜5月の連結営業収益は年間成長率18.25%減の23.44億元まで落ち込む結果となった(表二参照)。

 収益に関して言及すると、連結営業収益が減少したほか、他業者との競争により粗利益も落ちたため、2013年Q1での連結営業収益年間成長率は57.75%もの減少を見せ、連結最終純利益は2012年同期比10.78%減の1.47億元まで下落した。ただし、新しい会計準則の実施と人民元の切り上げによって、「海外運営機構財務諸表の為替差額」は赤字から黒字になり、その連結最終純利益は年間成長率48.59%増の2億となった。程泰集団(程泰、亞崴)が嘉義大埔美園区で展開する投資計画では、その第一段階として4,000坪の工場敷地に5億元を投入し、程泰は大型垂直旋盤機を、亞崴は後部加工と大型C型機の生産拠点を設置する。2014年にはこの作業を完了させ、その後の計画は2014年から改めて実行される予定だ。

志聖工業股份有限公司(志聖)
1、会社概要:志聖工業股份有限公司(CSUNMFG LTD.)
本社所在地:台北県林口鄉工二工業区
工八路2-1号
電話:02-26010700
設置:1978/04/18
上場:2001/09/17証券コード:2467
資本金:15.87億元(2013年7月)
取締役会会長:梁茂生
ゼネラルマネージャー:王佰偉
有力株主:梁茂生(2.45%)、梁茂忠(2.12%)、簡進土(0.48%)、陳芬蓉(0.45%)、王佰偉(0.29%)、李基永(0.27%)、賴慶文(0.16%)、黃敏男(0.13%)。(2013年5月)
主要再投資:志聖科技(広州)有限公司(100%)、蘇州創峰光電有限公司(64.07%)、広州市佑聖機械科技有限公司(100%)、昆山市佑聖精密機械有限公司(100%)、中山市佑聖精密機械科技有限公司(57.14%)。(2013年3月)

※データベース:公開資訊観測站

2、会社運営状況
 志聖は半導体、LED、太陽光発電、PCB及びパネルなどの産業製造機器を生産している。パネル及び太陽光発電の川下業者の需要低下や欧州債務危機の再燃をうけ、電子機器業者は支出予算の縮小や納期を延ばすなどの行動に出た。これにより2012年の連結営業収益は年間成長率16.88%減の36.53億元となり、2013年Q1においても20.05%の落ち込みを見せた。しかし中国と台湾のパネルメーカーの工場拡大、群創力の4K2K高解像度製品の品質差別化、志聖とインジウムガリウム酸化亜鉛(IGZO)熱処理設備の連携開発、経済部開発産業技術プロジェクトの補助金などの成長材料により、志聖は2013年Q2及びQ3では生産設備をフル稼働させ、2013年1〜5月には志聖の連結営業収益は年間成長率1.59%減の13.39億元を達成した(表三参照)。

 収益に関しては、2013年Q1で営業利益・粗利益共に低下したため、営業利益率が赤字となったが、有形固定資産、工場などの設備処分により利潤が生じ、人民元の切り上げの影響も受け「海外運営機構財務諸表の為替差額」も赤字から黒字へと転じた。その結果、2013年Q1における志聖の連結最終損益は2012年同期比、275.97%の1.39億元という大幅な増加となった。
 

永大機電工業股份有限公司(永大)
1、会社概要
永大機電工業股份有限公司(YUNGTAY ENGINEERING CO.,LTD)
本社所在地:台北市復興北路99号11階
電話:(02)27172217
設置:1966/7/9
上場:1989/11/09証券コード:1507
資本金:41.08億元(2013年7月)
取締役会会長:許作立
ゼネラルマネージャー:林進財有力株主:株式會社日立製作所(7.74%)、許作立(4.57%)、張光明(0.29%)、梁伸夫(0.28%)、許作名(0.24%)、鄭萬来(0.14%)、呉逢明(0.1%)。(2013年5月)
主要再投資:上海永大エレベーター設備有限公司(100%)、天津永大エレベーター設備有限公司(100%)、天津永大エレベーターメンテナンス有限公司(100%)、上海永大エレベーターメンテナンス有限公司(100%)、成都永大エレベーター設備有限公司(100%)、上海吉億電機有限公司(100%)。(2013年Q1)
業務割合:台湾エレベーター(11.67%)、中国エレベーター(65.76%)、台湾保修(11%)、中国保修(3.07%)、電機(4.98%)、建機(1.91%)、自動化設備(1.45%)、其他(0.17%)。(2013年Q1)

※データベース:公開資訊観測站

2、会社運営状況
 永大は近年、中国市場を重視した経営を行っている。中国政府は住宅市場への介入を行っているものの、二流都市と三流都市ではエレベーターの需要はいまだ好調である。また中国市場に早期参入した高い知名度を武器に、永大は収益を大幅に成長させた。台湾の住宅市場でも需要が増加しており、台湾でも増収増益を達成。こうした中国や台湾市場の需要増加をうけ、2013年1〜5月、永大の連結営業収益は年間成長率41.88%増の73.68億元となった(表四参照)。

 収益に関して言及すると、連結営業収益のほか、粗利益でも顕著な増収が確認され、2013年Q1の連結営業収益年間成長率は95.82%まで上昇。人民元切り上げの追い風も受け、永大の「海外運営機構財務諸表の為替差額」は赤字から黒字へと転じ、連結最終損益も赤字から黒字へとなった。

 

近年の主な沿革

2011年1月
 亞崴と程泰が1600万米ドルを投入し、中国呉江で100畝の土地を購入。現在は整地作業中で、今年9月には工場の建設が完了する予定。工場の稼働開始は来年早々となる。新工場の第一期目では、さまざまな種類の工作機械800台を生産し、年間生産額は20億元に達する見込みである。

2011年3月
 ECFA商機を狙い、友嘉集団は台湾と中国で資金を大量投入し、工場の建設を開始した。なかでも台中精密機械園区は5億元の投資でQ2より着工。松穎も苗栗に敷地面積1000坪の工場をQ2から着工し、2012年に完成した。

2011年7月
 韓国とEUのFTAが始まり、台湾機械業界は甚大な影響を受けた。

2011年9月
 行政院が2010年に「スマート自動化産業発展策略会議」を開催し、2011年9月には「スマート自動化産業発展プラン」を認証、積極的に台湾のスマート自動化業界の発展促進に着手し始めた。その計画内容は、スマートロボット、スマート自動化製品及び設備、スマート・エンジニアリング・サービスである三つの分野に、テクノロジー化ハードウェアとスマート化ソフトウェア技術を統合させるもので、製造業、新興エネルギー産業及び六大新興産業であるヘルスケア産業と文化観光産業の成長を推進し、台湾の産業の再構築を計っている。

2012年1月
 政府が省エネ家電に対し6億元もの補助金を支給する政策を実施した。79億元の個人消費を創出する見込みで、コンプレッサー、モーター、工作機械などの部品への需要も上がると思われている。

2012年3月
 韓国とアメリカのFTAが始まり、台湾機械業界はある程度の影響を受けた。

2012年4月
 中国が「輸入時の免税が適用されない重要技術、設備及び製品目録(2012年訂正版)」を公表し、多くの機器設備の輸入で優遇措置がなくなった。

2012年8月
 志聖が開発した3D ICパッケージング用ウェハー真空ラミネーター(WVL)が、行政院国家科学委員会の年度「ハイテク先端技術開発プロジェクト」先端革新賞を受賞し、正式にTSMCへの出荷を開始した。

2013年4月
 群創力が「品質の差別化」を図った4K2K高解像度製品をリリースし、設備メーカーである志聖と共にインジウムガリウム酸化亜鉛(IGZO)に関する熱処理設備の共同開発も行った。これにより、経済部業界開発技術計画からの補助を獲得した。

2013年5月
 台湾工作機械業界の技術レベルを高めるべく、経済部技術処と工研院機械所などの関係機構は生物医学、航空宇宙、自動車、精密機械産業の開発促進を図り、亞崴、程泰、台中精機、永進、百徳、大立など六つの業者を「スマート化5軸工作機アライアンス」に参加させた。

2013年6月
 程泰集団(程泰、亞崴)は嘉義大埔美園区における投資計画の一環として、程泰は大型垂直旋盤機を、亞崴は後部加工と大型C型機の生産設備を設置。5億元を投入し2014年には竣工予定である。
 瑞智精密は中鋼と連携し、ブラシレスDCファンモーター(BLDC)の製造に参入した。屏東輸出加工区と中国虎門の工場に32億元を投資し、2013年には50万個、2014年には250万個の製品を生産する予定である。

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