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《台湾有事》中国が台湾周辺で軍事演習、「台湾独立勢力に制裁」(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2024年5月23日_記事番号:T00115468

台湾有事

《台湾有事》中国が台湾周辺で軍事演習、「台湾独立勢力に制裁」(トップニュース)/台湾

 中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は23日、午前7時45分から、陸海空軍やロケット軍などの合同演習「聯合利剣-2024A」を開始したと発表した。期間は24日までで、台湾の北部、南部、東部、離島の金門、馬祖周辺など、台湾を取り囲むように実施する。東部戦区の李熹・報道官は、分裂を企てる台湾独立(台独)勢力に対する制裁で、外部勢力の介入や挑発に対する警告だと説明した。20日の総統就任演説で、「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」などと演説した頼清徳・総統(民進党)への圧力だ。中央社電などが伝えた。

/date/2024/05/23/00lai_2.jpg頼・総統は就任前、中国当局から「台湾独立」を頑なに主張する「頑固な台湾独立(台独)分子」と名指しされていた(21日=中央社)

 東部戦区は、軍事演習の重点は、空海軍合同での共同戦闘準備パトロール、戦場の主導権奪取、精密射撃などで、軍機や艦艇が台湾周辺で警戒監視すると説明した。

 中国で海上警備を担う海警局は同日、金門県の烏坵島など付近で合同訓練を実施する。

 台湾の国防部は、地域の平和と安定を破壊する挑発行為に及んだことは遺憾だとコメントし、「国軍経常戦備時期突発状況処置規定」に基づき、陸海空の兵力を派遣し、自由民主主義と中華民国(台湾)の主権を守る行動を取ると表明した。

 国防部は、中国軍が圧力を強めても、台湾軍は「備えても戦争を望まず、逃げずに応戦する」という強い意志で、国家の安全を守ると強調した。台湾の人々に対し、両岸(中台)情勢が緊迫する中、団結して美しい故郷を守ろうと呼びかけた。

 台湾の海洋委員会海巡署(海巡署)は、4000トン級大型フリゲートなどを本島や離島に配備し、「制限水域」(海岸から24カイリ=接続水域に相当)周辺や離島周辺の中国艦艇や巡視船の警備や駆逐の任務に当たるようだ。

 頼・総統は20日の就任演説で、中華民国台湾は独立した主権国家で、中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しないと強調し、中華民国が存在している事実を直視するよう中国に対し呼び掛けた。

 これに対し中国の王毅・外相は同日訪問先で、世界に中国は一つしかなく、台湾は中国の一部だと反論し、台湾独立(台独)行為は、国際秩序に対する挑戦で、台湾海峡の平和を破壊すると、強くけん制した。

 一方、米国や日本などは、頼・総統の就任式典に代表団が出席して祝意を示し、協力関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持すると表明していた。

 台湾のメディア関係者は、頼・総統の就任演説は、蔡英文・前総統のときよりも踏み込んだ、中国にとって容認できないものだったと分析した。中国の対応は、軍事演習だけにとどまらない恐れがあると指摘した。

「想定内」か

 ロイターによると、台湾のある政府高官は、今回の軍事演習は想定内であり、政府は中国軍の動きを全面的に把握していると語った。

 日本の林芳正官房長官は23日午前、台湾海峡の平和と安定は、日本の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要で、中国側に直接しっかり伝えると表明した。米国をはじめとする同盟国や同志国と緊密に連携しながら、各国共通の立場として明確に発信していくと語った。両岸関係の推移をしっかり注視し、外交努力を続けると述べた。

蔡総統時代も大規模演習

 中国軍は2022年8月、台湾を取り囲むように実弾射撃を含む大規模軍事演習を実施し、台湾周辺海域に弾道ミサイルを11発発射した。ナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が22年8月2~4日に訪台し、蔡・総統(当時)と会談したことに対する反発だ。

 蔡・総統(当時)が23年4月8日に米国で、ケビン・マッカーシー下院議長(当時)と会談した直後にも、中国軍は大規模な軍事演習を実施した。

 頼・副総統(当時)が23年8月、南米のパラグアイ訪問で、米国を経由し、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のローラ・ローゼンバーガー理事長(当時)と面会した後にも、中国軍は軍事演習を実施した。

 

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