ニュース 政治 作成日:2024年10月15日_記事番号:T00118065
台湾有事中国人民解放軍で台湾方面などを管轄する東部戦区は14日午後6時、台湾周辺での陸海空軍やロケット軍などの合同演習「聯合利剣-2024B」を成功裏に完了したと発表した。台湾の国防部によると、午前5時の開始から午後4時30分までに中国軍機延べ125機、15日午前6時までに153機の活動を確認した。軍事演習は約半日で従来より短かったが、1日当たりの軍機の数は過去最多だった。中国で対台湾政策を担う中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華・報道官は、軍事演習は、頼清徳(総統)が台湾独立(台独)の主張を繰り返すことへの懲罰で、今後も台湾独立を企て続けるのなら、台湾の市民に災難がもたらされると警告した。15日付聯合報などが報じた。
海巡署は、中国海警局の4編隊が台湾周辺を航行しており、中国語と英語で警告を呼び掛けたと説明した(14日=中央社)
台湾の国防部は14日午後5時に臨時記者会見を開き、同日午前5時2分から午後4時30分までに、台湾周辺の空海域で中国軍機や無人機(ドローン)など延べ125機、中国艦艇17隻、公務船(中国海警局の船舶)17隻を確認し、うち中国軍機90機が、台湾と中国の事実上の停戦ラインとされる台湾海峡の中間線やその延長線を越え、台湾の「応変区」(台湾海峡の中間線の東側、台湾の海岸線から24カイリ=約44キロメートルに入らない範囲)に侵入したと発表した。軍機の飛来、中間線越えの数はいずれも過去最高だったと説明した。
国防部は、中国軍の空母「遼寧」は応変区に侵入しなかったものの、戦闘機「殲15(J15)」が「遼寧」から発艦し、台湾の東部の空域に侵入したのを確認した。
国防部は、中国が公表した軍事演習区域は台湾本島の周辺6カ所と、離島の馬祖(連江県)、東引(連江県)、烏坵(金門県)の3カ所で、いずれも12カイリ(領海に相当)の外側とはいえ、以前の軍事演習と比べると台湾に近かったが、実際には24カイリより内側には侵入してこなかったと説明した。午後5時の記者会見の時点で、大部分の中国軍機や艦艇が、台湾海峡の中間線の東側の「応変区」を出ていたが、中国海警局(CCG、海上保安庁に相当)の一部船舶がまだとどまっていたと指摘した。
■海警船、馬祖の制限水域侵入
中国軍の東部戦区の軍事演習に合わせ、中国海警局の4編隊、船舶12隻が台湾周辺でパトロールを行い、世界最大級1万トン級の巡視船「海警2901」も加わった。中国海警局は、事実上の「第二の海軍」といわれている。
中国海警局の船舶は14日午前8時、2方向から分かれて、馬祖の制限水域に侵入した(14日=中央社)
台湾の海洋委員会(海委会)海巡署(海上保安庁に相当)は14日、同日午前8時に、中国海警局の4隻が馬祖の制限水域(24カイリ、接続水域に相当)に侵入したのを確認した。中国軍の東部戦区が軍事演習を終了した同日午後6時に、制限水域を出た。中国海警局の船舶が馬祖の制限水域に侵入したのは初めて。台湾本島の24カイリ以内には侵入しなかった。
■日米が懸念表明
頼・総統は14日午前、国家安全保障会議を開き、部会(省庁)のトップと対策を検討した。頼・総統は、中国軍の行動は真っ先に把握しており、市民は安心してほしいと呼び掛けた。中国の軍事演習は、地域の平和と安定、現状を破壊する狙いがあり、武力で周辺国家を脅迫し続けることは、国際社会の期待に背く行為だと批判した。
米国国務省は米国時間13日深夜、中国が台湾海峡や台湾周辺で軍事演習を開始したことについて、「深刻な懸念」を表明した。中国に対し、台湾海峡や周辺地域の平和と安定を破壊する行為を自制するよう呼び掛けた。
日本の石破茂首相は14日、「台湾周辺の平和と安全は、日本のみならず、地域に極めて重要な問題だ」と述べた。青木一彦内閣官房副長官は15日の記者会見で、「中国側に日本の懸念を伝達した」と述べた。
欧州連合(EU)は、軍事演習は台湾海峡の緊張をエスカレートさせると指摘し、自制を求めた。
一方、中国外交部の毛寧・報道官は14日の定例記者会見で、台湾問題は中国の内政で、外部勢力の干渉を許容しないと発言した。
国台弁の陳・報道官は、軍事演習は、国家の主権と領土の完全性を守るためで、台湾独立と台湾海峡の平和は両立しないと指摘した。
中国軍の東部戦区は、引き続き高い警戒態勢で戦闘に備え、台湾独立(台独)の分裂行為を阻止すると表明した。
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