ニュース 政治 作成日:2025年3月19日_記事番号:T00120660
台湾有事立法院(国会に相当)外交国防委員会で19日に報告するため、国防部が18日に提出した報告書で、2025年の台湾軍の定例大規模軍事演習「漢光演習」は、中国軍が27年に台湾を侵攻するシナリオと想定されていた。国防部が27年と設定したのは初めて。軍事専門家は、中台(両岸)間の緊張の高まりが感じられると指摘した。19日付中国時報などが報じた。
顧立雄・国防部長(中)は19日、立法院の外交国防委員会で、業務報告と4年期国防総検討について説明する(19日=中央社)
顧立雄・国防部長は19日、メディアの取材に対し、漢光演習は▽高級幹部による図上演習、▽コンピューター支援による指揮所演習(兵棋演習)、▽実動演習──の3段階から成り、武器・装備の調達スケジュールや統合訓練計画を設定し、高度な戦備能力を確立するため、期間は1~2年を想定しており、訓練と検証を経て調整すると説明した。
従来の漢光演習では、仮想敵の台湾侵攻の時期を設定する場合、台湾軍の5カ年計画や10カ年計画に合わせていた。
ある軍事関係者は、27年の想定についてはコメントを避け、中国が台湾侵攻する場合は必ず何らかの兆候があるので、台湾軍は平時から危機に備え、常に戦闘準備をしているとのみ語った。
これまでに米国のシンクタンクや軍事関係者から、27年に中国が台湾を侵攻する可能性があるとの推測が何度も示されていた。中国の習近平・国家主席は23年11月に米国のバイデン大統領(当時)との米中首脳会談で、27年または35年に台湾を軍事侵攻する計画はなく、誰にもそんな話をしたことはないと語った。台湾の外交部は当時、中国が台湾を侵攻するか、いつ侵攻するかについては推測していないと説明していた。
■漢光演習、過去最長
漢光演習は、中国軍の台湾侵攻を想定し、台湾、離島の澎湖、金門、馬祖で、毎年行われている大規模軍事演習だ。
今年の漢光演習は、中国が27年に台湾を侵攻するシナリオで、グレーゾーン攻撃を想定し、ドローン(無人機)などの新型兵器の効果の検証、軍隊と民間の連携などを重点課題とする。
兵棋演習は4月5日~18日の14日間、実動演習は7月9日~18日の10日間行う予定だ。いずれも過去最長となる。
■国防部、4カ年計画発表
国防部は18日、頼清徳・総統の任期に当たる「4年期国防総検討(QDR、4年ごとの国防計画の見直し)」を発表した。09年以降、5回目の発表だ。国防部は、総統就任後10カ月以内に、4年期国防総検討を立法院に提出しなければならない。
4年期国防総検討は、▽陸上、海上、空中、宇宙空間、サイバー空間など複数の領域にわたる防衛システムの構築、▽防衛費の対域内総生産(GDP)比3%、▽米国との軍事協力、▽社会のレジリエンス(強靱性)強化──などが盛り込まれた。
台湾海峡の情勢に対応し、中国軍の台湾侵攻に対する警戒時間が短縮され、衛星、長距離兵器、無人システムを活用する他、もし開戦となれば、前線と後方の境界が曖昧(あいまい)になるとして、防衛は社会の協力が必要だと説明した。
【セミナー情報です】
台湾駐在スタートを成功させる、新任経営者の虎の巻。3月28日開催。経営者は無料。
検索は「ワイズ、新任経営者」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/120502.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722