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第77回 性別工作平等法の改正


ニュース 法律 作成日:2014年12月8日_記事番号:T00054256

知っておこう台湾法

第77回 性別工作平等法の改正

  「性別工作平等法」(男女雇用機会均等法に相当)改正案が2014年11月21日に立法院で最終可決(三読)した。改正の要点は次の通りである。

一、女性労働者の配偶者の出産付き添い休暇を5日間に拡大

 現行法の規定では3日間だが、女性労働者が帝王切開により入院する可能性があるなどの理由により世話が必要な期間が比較的長いことを考慮して、新法では配偶者の出産付き添い休暇を5日間に拡大した。このほか、現行の性別工作平等法施行細則第7条の規定によれば、男性被用者は配偶者が分娩(ぶんべん)する当日およびその前後の計15日の期間内で、そのうち3日間を選んで出産付き添い休暇を取得しなければならないとされていた。新法が出産付き添い休暇を5日間に拡大したことにより、施行細則の「前後計15日間」についても改正される可能性がある。

二、女性労働者の妊婦検診休暇5日間を追加

 妊娠中の女性労働者の妊婦健診のニーズを考慮して、新法では有給の妊婦健診休暇5日間が追加で規定された。

三、女性労働者が生理休暇を取得した場合、賃金の半額を支払う

 現行法では、女性労働者の年間の生理休暇取得日数が3日に満たない場合、傷病休暇に算入せず、傷病休暇に算入される生理休暇または傷病休暇に算入されない生理休暇の賃金は、全て傷病休暇の規定に基づくと定められている。新法では、傷病休暇に算入されるか否かにかかわらず、生理休暇の賃金は全て半額を支払うと改正された。

四、被用者が250人以上の場合、雇用主は授(搾)乳室などを提供する義務を有するとの規定を追加

 乳幼児の保育政策を実行するため、新法では、「被用者が250人以上の場合、雇用主は次に掲げる施設、措置を提供しなければならない。(一)授(搾)乳室。(二)託児施設または適当な託児措置」と定められた。

五、雇用主が法に違反した場合の罰則を強化

 現行法第38条の1の規定によれば、雇用主が男女平等関連措置に違反した場合、罰則は10万台湾元以上50万元以下とされていたが、新法では30万元以上150万元以下に引き上げられた。

 新法はすでに立法院の三読で可決されているため、間もなく正式に施行されると思われる。また、新法は労働者の出産付き添い休暇、妊婦健診休暇などについて大幅に改正を加えているため、処罰を受けないよう、貴社におかれましては就業規則における労働者の休暇取得にかかる規定をこれに合わせて改正し、新法の規定に基づき処理するようご注意下さい。

黒田法律事務所・黒田特許事務所

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。 
http://www.kuroda-law.gr.jp/ja/tw/

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蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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