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第133回 外国人が台湾の土地を取得する上での制限


ニュース 法律 作成日:2016年2月15日_記事番号:T00061957

知っておこう台湾法

第133回 外国人が台湾の土地を取得する上での制限

 「外国人は台湾の土地を取得できるのでしょうか?あるいはどのように取得するのでしょうか?」というのは、私がよく問い合わせを受ける質問であり、また私も日本企業のために各種の土地取得手続きおよび土地の相場の調査をよく行っています。今週のコラムでは外国人が台湾の土地を取得するに当たっての重要な法令規定について皆さんに紹介しましょう。

「台湾と互恵国」が原則

一.外国人が台湾の土地を取得するに当たっての国籍上の制限
土地法第18条には「中華民国における外国人による土地の権利の取得または設定は、条約またはその自らの国の法律に従い、中華民国の国民が当該国において同様の権利を享受することができる場合に限られる」と規定されている。簡単に言うと、原則として台湾と互恵協定のある国の国民でなければならず、そうでなければ台湾の不動産を取得することができない、ということである。内政部の資料(http://www.land.moi.gov.tw/onlinebill/705-n1.pdf )によれば、日本も台湾人が日本の土地を取得することを認めており、従って日本人も台湾の土地を取得することができる。

「建築・住宅用地」は取得可能

二.外国人が台湾の土地を取得するに当たっての種類上の制限
土地法第17条第1項には「次の土地は移転、抵当権などの負担の設定をしてはならず、または外国人に賃借してはならない。一.林地。二.漁業地。三.狩猟地。四.塩性地。五.鉱床。六.水源地。七.要塞軍備区域および領域の近隣地の土地」と規定されている。言い換えると、上記の土地に該当しないのであれば、外国人は原則として、例えば「建築用地」、「住宅用地」などいずれも取得可能である。

三.外国人が台湾の土地を取得するに当たっての、用途、面積および場所の制限
土地法第19条第1項には「外国人は自らの使用、投資または公益目的に供するために、次の各号の用途の土地を取得することができ、その面積および所在場所について、これらを管理する直轄市または県(市)政府が法に基づき定めた制限を受けなければならない。1)住宅 2)営業場所、オフィス、商店および工場3)教会堂 4)病院 5)外国人居留者の子供が通う学校 6)大使館・領事館および公益団体の会館 7)墓場 8)国内の重大建設、経済全体または農業・牧畜業の経営に有益な投資であり、かつ中央目的事業主管機関によって認可された場合」と規定されている。本条の規定に基づくと、外国人は台湾の土地を取得するに当たって、同法第17条の土地の種類の制限を受けるほか、その用途、面積および場所についても土地の所在する場所の地方政府の各種法規命令の制限を受けなければならない。

経験のある法律事務所に委任を

 以上の規定のほか、外国人が台湾の土地を取得する際は、土地の性質(例えば、工場用地、住宅用地など)、所在地(例えば、工業区土地、商業区土地など)によって、それぞれ異なる申請、取得手続きがあります。そのため、外国企業が台湾の土地を取得しようとする場合は、関連手続を迅速に完了させ、かつリスクを避けるために、豊富な経験を有する法律事務所に手続きを委任するのがよいでしょう。

黒田法律事務所・黒田特許事務所

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
http://www.kuroda-law.gr.jp/ja/tw/

蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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