ニュース その他分野 作成日:2020年12月29日_記事番号:T00093938
月間5大ニュース台湾の新型コロナウイルス域内感染は4月13日以降12月22日に56人目を確認するまで253日間ゼロを維持し、早期の抑え込みに成功した。▽迅速で徹底した水際対策▽対策本部の中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)設置による指揮系統の1本化と情報の透明化▽官民協力によるマスク増産と実名制(本人確認)販売での平等な分配──など先手の対策、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の苦い経験を共有する政府と市民の防疫意識の高さが実を結んだ。パンデミック(世界的大流行)宣言後、マスク2,300枚以上をはじめ医療物資を海外に寄贈するなどの行動で「台湾は世界に貢献できる(Taiwan Can Help)」とアピールし、世界保健機関(WHO)年次総会、世界保健総会(WHA)への台湾のオブザーバー参加を支持する声が例年以上に高まった。
陳衛福部長は、域内感染ゼロが続き「防疫新生活」が始まった6月7日以降も、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保するか、マスクを着用するよう繰り返し呼び掛けた(中央社)
台湾は2019年12月末の時点で中国湖北省武漢市で原因不明の感染症が発生している情報をつかみ、武漢便の検疫を強化、1月20日には中央流行疫情指揮センターを発足した。21日に武漢からの入境者の台湾初の感染が確認されたのに続き、海外で感染したとみられる輸入症例の確認が4人となった春節(旧正月は1月25日)連休期間の26日に早くも湖北省の中国人の入境を禁止、2月6日に中国人の入境を全面禁止した。3月19日には外国人の入境を禁止した。
感染者との接触者には14日間の外出制限「居家隔離」、指定地域からの入境者には14日間の外出制限「居家検疫」を義務付け、3月19日より海外からの全ての入境者に対象を拡大した。違反した場合には伝染病防治法(感染症予防治療法)により最高100万台湾元(約370万円)の罰金を科す厳しさで、市中感染の拡大防止に努めた。
陳時中衛生福利部(衛福部)長が率いる中央流行疫情指揮センターは6月7日まで連日、その後も週1回以上の記者会見を開催、インターネットでも公開し、感染者の状況や政府の方針を市民と常時共有し、防疫意識の向上を図った。
マスク外交で存在感
台湾でも当初は医療用マスク不足で一時混乱したものの、1月24日より医療用マスクの輸出を禁止、31日より政府が台湾製マスクを全数買い上げ、産業界にマスク増産を要請。2月6日に全民健康保険カード(健保カード)提示などによる実名制販売を開始し、安定生産、供給体制を構築した。
市民の協力を取り込みつつ、早期のマスク実名制販売システムを実現したデジタル政策担当の唐鳳(オードリー・タン)行政院政務委員の功績は、日本をはじめ世界に知られた。マスク日産能力は4月に1,300万枚、5月中旬には1,800万~1,900万枚まで拡大し、6月1日にはマスク自由販売と輸出を再開した。
海外で感染者が急増する中、蔡英文総統は4月1日、新型コロナウイルス感染拡大が深刻な国・地域に対し、医療用マスク1,000万枚を寄贈すると発表。その後600万枚、700万枚の寄贈を発表し、「台湾は世界に貢献できる」と訴えた。
蔡総統は、米タイム誌の20年の「世界で最も影響力のある100人」として表紙の一つを飾るなど世界中から注目された(蔡総統フェイスブックより)
台湾の防疫対策は世界の注目を集め、WHO年次総会、WHAへの台湾のオブザーバー参加を支持する声が相次いだ。それでも5月のテレビ会議方式での開催には招かれず、友好14カ国による台湾のオブザーバー参加を求める議案も11月のWHAで中国の反対で審議が見送られた。
台湾は中国の圧力で、民進党の蔡政権発足後、17年よりWHAにオブザーバー参加していない。
12月29日時点の台湾での感染確認は累計795人で、うち輸入症例が700人、域内感染は56人、その他39人で死者は累計7人。公共交通機関などに加え、屋外での年越しイベントでのマスク着用を義務付けるなど、警戒を続けている。
20年10大ニュース
https://www.ys-consulting.com.tw/service/l/32/
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