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《台湾有事》中国が台湾の輸入規制調査開始、蔡・政権への圧力か【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2023年4月13日_記事番号:T00108404

台湾有事

《台湾有事》中国が台湾の輸入規制調査開始、蔡・政権への圧力か【図表】(トップニュース)/台湾

 中国の商務部は12日、台湾が中国からの輸入を規制している計2455品目について、貿易障壁調査を実施すると発表した。対象は農水産品、紡織、鉄鋼、ねじ、果物など。期限は10月12日の予定だが、台湾の総統選挙の投開票日の前日、2024年1月12日まで延長できる。蔡英文・総統とマッカーシー下院議長の会談後、中国が台湾周辺で軍事演習を実施したのに続く、蔡政権への圧力とみられている。13日付自由時報などが報じた。

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 中国の貿易障壁調査は、今後も「台湾独立」行為や外部勢力の干渉が続けば、大規模な経済制裁を取るとの警告とみられる。民進党が同日、頼清徳・主席を総統選挙の公認候補に指名したタイミングだったことから、中台間の海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)を打ち切った場合の経済的打撃をちらつかせているとの見方もある。

 中国の対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮・報道官は12日、台湾当局は長期にわたり、中国の製品2400品目余りの輸入を一方的に制限しており、中国の産業と企業に損害を与えているため、調査を実施すると説明した。調査結果は適時公表すると語った。

 中国の海関総署の統計によると、台湾の22年の対中貿易黒字は1565億米ドルだった。台湾の統計では1004億米ドル。

中国製品の2割、輸入を制限

 台湾の中国政策を担当する大陸委員会(陸委会)は、中国と台湾がそれぞれ01年12月と02年1月に、世界貿易機関(WTO)に加盟した当時、中台間の貿易について協議しておらず、台湾は「台湾地区および大陸地区貿易許可弁法」に中国から輸入できる品目を定めていると説明した。国家の安全や産業に重大な影響を及ぼさないことが条件だ。

 経済部は12日、国際貿易局(国貿局)が2カ月ごとに対中輸入規制を見直しており、農産品や工業製品の計9835品目は輸入が可能だと説明した。

 工業製品は、7993品目(85.15%)の輸入が可能で、1394品目(14.85%)は輸入できない。農産物は、1842品目(63.34%)の輸入が可能で、1066品目(36.66%)は輸入できない。

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中国からの通知なし

 経済部関係者は、中国は貿易障壁調査の実施に当たり、台湾に通知するよう定められているが、まだ通知がないと語った。

 食品関連業者は、中国は調査結果を踏まえ、台湾産農産物や食品の輸入制限を拡大する可能性があると語った。

 紡織業関係者は、貿易障壁解消を理由に、中国が台湾に中国製品の輸入拡大を迫る可能性があり、廉価の中国製品が台湾に流入すれば、域内業者に打撃となると懸念を示した。

 ある中国の台商(台湾系企業)は、中国が台湾に恩恵を与えているECFAを打ち切る可能性があると指摘した。

 ECFAは、国民党の馬英九政権だった2010年に締結された。アーリーハーベスト(特定品目の早期関税引き下げ措置)で、台湾から中国への輸出がゼロ関税になるなど、産業界が恩恵を受けていた。16年に民進党の蔡政権が発足後、中台関係が急速に冷え込み、ECFA終了が取り沙汰されたが、23年も継続されている。

 

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