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《台湾有事》中国がマンゴー輸入停止、軍事演習に続き圧力(トップニュース)【図表】/台湾


ニュース 農林水産 作成日:2023年8月22日_記事番号:T00110676

台湾有事

《台湾有事》中国がマンゴー輸入停止、軍事演習に続き圧力(トップニュース)【図表】/台湾

 中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮・報道官は21日、台湾産マンゴーから害虫のカイガラムシの一種が見つかったため、輸入を即日停止すると発表した。2024年1月の総統選挙の民進党公認候補、頼清徳・副総統の訪米を受け、中国軍が台湾周辺で軍事演習を行ったのに続く、経済的圧力とみられる。農業部は、中国のやり方は国際規範に合致していないとして、対話のテーブルに着かなければ、世界貿易機関(WTO)に懸念を表明すると説明した。22日付中国時報などが報じた。

/date/2023/08/22/00mango_2.jpgマンゴーの主な生産地は台南市、高雄市、屏東県などで、民進党の支持基盤だ(21日=中央社)

 農業部の陳駿季・次長によると、中国の税関を司る海関総署から21日午前に通知があり、今年6月15日と8月3日に中国に輸入されたマンゴーからカイガラムシが発見されたと告げられた。7月4日と8月17日に管理などの改善措置を提出したものの、中国から返答はなかった。台湾産マンゴーは過去5年、中国以外から類似の害虫報告はなかった。対中輸出の計5689回のうちカイガラムシ検出は2回で、検出率は1万分の5以下だ。

 農業部は、台湾側が改善措置を講じたにも関わらず、中国は科学に基づく対話もなしに、一方的に貿易を中断したと指摘した。中国に対話を呼び掛けると同時に、WTOのSPS(衛生と植物検疫措置)に関する委員会に、特定の貿易上の懸念(STC)として表明すると説明した。

 国台弁の朱・報道官は、害虫が一度でも侵入すれば、国内の農業や生態系に重大な影響をもたらすと述べ、科学的根拠や中国の法規に基づいた措置だと強調した。

農家の影響は限定的

 陳・次長は、マンゴーは主に内需向けの上、シーズンは終わりに近く、中国の輸入停止によるマンゴー産業への影響は限定的だと語った。

 農業部によると、マンゴーの今年の生産量は17万トン余りで、うち輸出は3873トンと、全体の2.2%に過ぎない。

 今年1~7月のマンゴー輸出のうち、中国向け出荷量は938トン、出荷額は171万米ドルだった。▽日本、715トン・567万米ドル、▽韓国、628トン・384万米ドル──にも輸出しており、1トン当たりの価格は中国向けの3~4倍だ。

2年半で7回目の禁輸措置

 中国は21年3月のパイナップルを皮切りに、害虫検出などを理由として、台湾産の果物や養殖ハタ(石斑魚)などの水産物の輸入を相次いで停止した。

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 うち、チルド保存のタチウオと冷凍マアジは、22年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台した直後に、新型コロナウイルス検出を理由に輸入を停止したが、今年3月に輸入を再開した。

 バンレイシについても今年6月20日、夏立言・副主席(国民党)が福建省アモイ市でフォーラム「海峡論壇」に出席し、農産物の輸入解禁を呼び掛けた後、輸入が再開された。

 

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