ニュース 政治 作成日:2024年10月7日_記事番号:T00117938
台湾有事頼清徳・総統は5日、中華民国の建国記念日に当たる双十節(10月10日)を祝うイベント「国慶晚会」で、「中華人民共和国(中国)は1日に75歳を迎えたばかりだが、中華民国は113歳を迎えようとしている。中華人民共和国は中華民国の人々の祖国になり得ない」と語り、台湾と中国は別だという考えを改めて示した。これに先立ち、9月に行われた聯合報の世論調査で、両岸(中台)関係が軍事面で緊張状態にあると答えた人の割合は58%と、前年比4ポイント上昇した。開戦の可能性については4.5点(10点満点。点数が高いほど可能性が高く、点数が低いほど可能性が低い)で横ばいだった。市民は、両岸関係の緊張が高まっているものの、開戦の可能性はまだ高くないと考えているようだ。7日付聯合報が報じた。
頼・総統は5日、台北大巨蛋(台北ドーム、台北市信義区)で行われた国慶晚会で、「われわれの国を愛そう」と呼びかけた(5日=中央社)
聯合報は2010年から毎年、両岸関係に関する世論調査を行い、▽政治、▽軍事、▽外交、▽経済、▽社会──の5項目について質問している。今年は9月9〜24日に電話で調査を行い、20歳以上の1077人から有効回答を得た。
両岸の外交関係が緊張状態にあると答えた人は63%と、前年比7ポイント上昇した。両岸の公式のやり取りが密だと答えた人は9%にすぎなかった。台湾と中国は緊張状態にあると答えた人は53%で、前年比7ポイント上昇した。
仮に両岸の戦争が発生した場合、米国が軍隊を派遣して台湾を守ると答えた人は49%で、前年比1ポイント上昇した。米国は軍を派遣しないと答えたのは42%で、前年比2ポイント低下した。
両岸関係が緊張化する要因としては、台湾独立(台独)の主張が前年比3ポイント上昇の18%で最多だった。次いで▽民進党政権、13%(横ばい)、▽中国の軍事的圧力、11%(2ポイント上昇)、▽中国が台湾統一を放棄しない、10%(1ポイント上昇)、▽民進党の対中国政策、9%(3ポイント上昇)──が多かった。
頼・総統が5月20日の就任演説などで示した「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」との主張が、両岸関係を悪化させていると答えた人は54%だった。頼・総統の両岸政策は、44%が満足、43%が不満と答えた。
親中政党といわれる野党の国民党は、市民は両岸の平和的発展を懸念しており、頼・総統が「二国論」を持ち出すことで、両岸関係に悪影響があると54%の人が懸念していることを自覚すべきだと指摘した。
経済制裁を懸念
両岸の経済・貿易関係は競争状態にあると答えた人は48%と、前年比8ポイント上昇し、調査開始以来、最高だった。競争かつウインウインの関係にあると答えたのは33%と、前年比4ポイント低下した。
両岸間の海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)のアーリーハーベスト(早期関税引き下げ措置)対象製品のゼロ関税撤廃など、経済制裁を懸念している人は50%以上で、前年の42%から上昇した。
中国は、今年1月と6月にECFAの早期関税引き下げ措置対象の石油化学製品など計146品目のゼロ関税を撤廃した。9月25日からは、台湾産の野菜や果物、水産物など34品目のゼロ関税優遇措置を撤廃した。
一方、世論調査では、民間の両岸関係は5.5点と、前年比0.1ポイント上昇した。両岸の民間交流が活発と答えた人は28%、緩和は45%、低迷は24%で、いずれも前年比横ばいだった。
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