ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

第574回 家の医療機器をネットで販売できるか


ニュース 法律 作成日:2025年6月16日_記事番号:T00122275

知っておこう台湾法

第574回 家の医療機器をネットで販売できるか

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が再拡大する中、SNS(交流サイト)やショッピングプラットフォームを通じ、家の中の余分な医療用マスクや家庭用コロナ検出試薬、血中酸素濃度計、電子体温計などを販売したり、他の人が販売している中古品を購入したり、日本で販売されているこのような製品を代理購入業者を通じて購入したりすることを検討する人がいるかもしれません。

 この場合、台湾においては「医療機器業者でない者が医療機器を販売することは、医療機器管理法に違反する可能性がある」との規定があるということに特に注意しなければなりません。

■業者以外の販売禁止

 一般の人々やネット販売をする人が医療機器業者ではないにもかかわらず、電子商取引(EC)や一般的な物理的なチャネルを通じて医療機器を販売する場合、医療機器管理法第13条の規定に違反する可能性があります。

 つまり、医療機器業者でない者が、医療機器を市場において流通させることや、医療機器の卸売り、小売り、輸入、輸出、リースまたは保守を取り扱うことはできません。違反した場合、同法第70条に基づき、3万台湾元(約15万円)以上100万元以下の過料を科される可能性があります。

 また、同法第25条には、医療機器を製造、輸入する場合、中央主管機関に検査・登録を申請しなければならず、また、許可されて医療機器許可証の交付を受けた後にはじめて医療機器を製造、輸入することができる旨が規定されています。

 衛生福利部(衛福部)の許可なく医療機器を無断で輸入したり、ECを利用して海外から医療機器を購入して販売したりした場合(例えば、日本製の血中酸素濃度計、電子体温計を台湾に輸入して販売した場合など)、同法第62条に基づき3年以下の拘禁刑、拘留に処せられる、または1000万元以下の罰金が科される、もしくは併科される可能性もあります。

 したがって、家の中の感染予防関連アイテムを売却処分する際は、これらの規制に違反するリスクの有無に必ず注意しなければなりません。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

鄭惟駿弁護士

鄭惟駿弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

知っておこう台湾法