ニュース 政治 作成日:2025年7月10日_記事番号:T00122790
台湾有事中国商務部は9日、航空機・部品メーカーの漢翔航空工業(エアロスペース・インダストリアル・デベロップメント、AIDC)など台湾の軍需企業7社と政府系機関を軍民両用品の輸出管理リストに追加したと発表した。中国企業から8社への製品原材料などの輸出が禁止され、レアアース(希土類)も含まれるとみられている。AIDCは、民用業務への影響はあるが、軍用業務に影響はなく、レアアースも中国から直接調達していないと説明した。台湾で同日始まった定例軍事演習「漢光」への対抗措置と受け止められている。10日付工商時報などが報じた。
AIDCの台中工場(AIDCリリースより)
中国の輸出管理リストに追加されたのは、AIDCのほか、▽無人機(ドローン)を開発・製造する経緯航太科技(GEOSATエアロスペース&テクノロジー)、仲碩科技(JCテクノロジー)、▽造船会社の台湾国際造船(台船、CSBC)、中信造船、龍徳造船工業、▽防弾チョッキなど軍隊・警察用規格品を製造する攻衛──と、兵器を開発・製造する政府系研究機関の国家中山科学研究院(中科院)。
中国が輸出を禁止したのは、民間と軍事の両方に用いることが可能な軍民両用(デュアルユース)品目。特に大量破壊兵器やその運搬手段の設計・開発・製造・使用に関わる物品、技術、サービスと関連技術情報などが含まれる。
中国側が主にレアアースの輸出を制限するのではないかという見方について、台湾各社は、中国から直接レアアースを調達しておらず、欧米や日本、韓国経由の調達のため、直接的な影響はないと指摘した。
中国は2020年12月にミサイル、化学・生物兵器などに関連する複数の管理規定を統合する輸出管制法を施行した。24年12月には両用品目輸出管理条例を施行し、民間・軍事の両方で使用され得る製品の輸出を規制している。また、「信頼できない実体リスト制度」を、台湾向けに武器を売却する米国企業などを制裁する手段として複数回使用している。
■中国「独立への警告」
中国商務部は9日、今回の措置について、「国家の安全と利益を守り、大量破壊兵器の拡散防止という国際的な義務を履行するため」と説明した。
中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)は、これは国家の主権と領土を守り、台湾海峡の平和と安定を維持するために必要な措置であり、台湾独立(台独)を目指す分裂勢力による度重なる独立の企てと挑発に対する厳正な警告でもあると主張した。
これに対し、台湾で中国に関する政策を担当する行政院大陸委員会(陸委会)は、中国共産党が政治的、軍事的理由で、貿易輸出規制や威嚇的な言辞を通じて台湾への圧力を加えてきたと指摘。経済的手段を武器化する行為は、台湾の民意に乖離(かいり)しており、両岸(中台)関係の平和と安定には一切寄与しないと発表した。
国防部は、中科院が開発する兵器システムはいずれも中国製品を使用していないと指摘した。また、台湾や海外の企業と協力して台湾生産を推進し、(中国企業を含む)「紅色供給網(レッドサプライチェーン)」からの脱却を進め、国防の自主性を高めていると説明した。
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