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第18回 「第三者支払いサービス」開放で、台湾電子商取引の商機が大幅拡大


ニュース 法律 作成日:2013年4月1日_記事番号:T00042872

知っておこう台湾法

第18回 「第三者支払いサービス」開放で、台湾電子商取引の商機が大幅拡大

 金融監督管理委員会(金管会)は3月、「第三者支払いサービス」を正式に開放した。これにより、インターネット上における取引および決済がさらに安全となるため、台湾の電子商取引の商機も大幅に拡大する見込みである。

ネットオークションなどに安心感

 「第三者支払いサービス」とは、独立した第三者機関が、銀行と契約締結などの形により、「第三者支払いプラットフォーム(Third−party payment platform)」を構築し、ネット上の売り手と買い手との間での取引のため、商品代金の代理受け取りおよび代理支払いのサービスを提供することを指す。具体的に説明すると、買い手がネットオークションサイトなどで商品を購入する際に、まず、買い手は銀行振り込みまたはクレジットカード払いなどで、商品代金を第三者支払いプラットフォームが提供する口座に預ける。売り手は当該第三者機関の口座に商品代金が支払われたことを確認した後に商品を出荷する。この時点では、売り手には商品代金はまだ支払われていない。その後、商品が届いたこと、かつ品質に問題がないことなどを確認した後、商品受け取りを買い手が当該第三者機関に伝えると、第三者機関に預けていた商品代金が売り手に支払われる。

トラブル防止効果も

 第三者支払いサービスの仕組みの大きな特徴として、消費者保護の考え方に基づき、注文した商品の数量が違っていたり、異なる商品が届いた場合などのトラブルを未然に防ぐことができる点が挙げられる。1988年から始まった「Paypal(ペイパル)」は世界的に有名な第三者支払いサービスで、04年に始まった「支付宝(アリペイ)」は中国最大の第三者支払いサービスだ。

 第三者支払いサービスが開放されるまでは、台湾におけるネット上の商品取引は基本的に「売り手が指定した銀行口座に買い手が送金した後、売り手が商品を出荷する」という仕組みになっていた。このため、商品代金を支払ったが商品が届かない、または品質に問題があるというような法的な紛争が生じることが起きたことで、ネット上取引に対し少なからぬ不信感が生まれることにつながった。「第三者支払いサービス」の開放により、ネット上の取引の安全性が高まるため、電子商取引の商機も大幅に拡大する見込みだ。台湾で展開する日本の業者も、この新制度を利用して商機を開拓することが考えられる。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

黒田法律事務所・黒田特許事務所

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
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蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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