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第14回 立法院が営業秘密法改正案を可決、営業秘密に対する侵害行為は重刑に処される


ニュース 法律 作成日:2013年1月28日_記事番号:T00041840

知っておこう台湾法

第14回 立法院が営業秘密法改正案を可決、営業秘密に対する侵害行為は重刑に処される

 立法院は1月11日、営業秘密法の改正条文を最終可決した。改正のポイントは以下の通りだ。

一.新法第13条の1によれば、行為者が台湾域内において窃取、横領、無断複製等の不正な方法により営業秘密を侵害した場合については、5年以下の有期懲役に処し、かつ100万元以上1,000万元以下の罰金を併科することができる。また、犯罪行為者の得た利益が罰金の最高額である1,000万元を超える場合、その得た利益の3倍の範囲を上限とし、得た利益の金額を考慮の上、併科する罰金を増額することができる。

二.新法第13条の2によれば、いわゆる「国際的商業スパイ行為」について、台湾内外で営業秘密を使用することを企ててその営業秘密を侵害した場合、より重い処罰が下され、法定刑は1年以上10年以下の有期懲役であり、300万元以上5,000万元以下の罰金を併科することができる。また、犯罪行為者の得た利益が罰金の最高額を超える場合、その得た利益の2~10倍の範囲を上限とし、得た利益の金額を考慮の上、併科する罰金を増額することができる。

三.新法第13条の4によれば、法人の代表者、法人または自然人の代理人、被雇用者またはその他の従業員が、業務の執行により第13条の1、第13条の2の犯罪行為を行った場合、その行為者を処罰するほか、当該法人または自然人に対しても同条の罰金を科す。ただし、法人の代表者または自然人が犯罪の発生について、すでにそれを防ぐための行為に尽力している場合はこの限りではない。

競争力保護が目的

 立法委員によるとここ数年、台湾の科学技術産業界では、企業の上層部の技術者が外国の会社にたびたび高給でヘッドハンティングされて、営業秘密が域外に流出している。これにより台湾の産業におけるイノベーション能力が損なわれているため、今回の法改正により、台湾の産業の営業秘密および国際競争力の保護を強化したいとのことだ。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

 黒田法律事務所・黒田特許事務所 

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
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蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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