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第9回 規定数量以上のたばこ・酒の携行に対する刑罰の適用除外


ニュース 法律 作成日:2012年11月12日_記事番号:T00040396

知っておこう台湾法

第9回 規定数量以上のたばこ・酒の携行に対する刑罰の適用除外

 財政部は11月1日、台湾への入境旅客が規定数量を超えるたばこ・酒を携行することにより刑罰の対象となる問題を解決するため、たばこ・酒管理法第46条第3項および第4項の規定を改正し、入境旅客が規定数量を超えて携行するたばこ・酒について、規定に従わずに税関への申告を行わない行為に対して刑罰の適用を除外し、行政上の罰金を科すことに改め、2013年1月1日から施行すると表明した。

 このうち、同法第46条第3項の改正は、入境旅客によるたばこ・酒の携行に対し、たばこ・酒を密輸した場合の処罰を適用しないもので、また、同条第4項の改正は、入境旅客が免税数量を超えて携行するたばこ・酒を規定通りに税関に申告しない場合、免税数量を超えるたばこ・酒は税関が没収し、かつ、紙巻きたばこは1カートンごと、刻みたばこは1ポンドごと、葉巻きたばこは25本ごと、酒は1リットルごとに、税関がそれぞれ500台湾元以上5,000元以下の罰金を科すことを追加規定したものだ。

行政上の罰金に変更

 財政部によると、入境旅客が携行する荷物・物品の申告・納税による通関許可に関する規則第11条第1項第1号の規定に基づき、入境旅客が携行するたばこ・酒の免税数量は、酒類が1リットル(本数に制限はない)、紙巻きたばこは200本、葉巻きたばこは25本、刻みたばこは1ポンドまでだ。この免税数量を超えるたばこ・酒を携行して入境する場合、酒類4リットル、紙巻きたばこ800本、葉巻きたばこ100本、刻みたばこ4ポンド以内であれば、同規則第7条第2項第1号の規定に基づき、税関に対し自発的に申告して納税すれば通関を許可される。

 携行するたばこ・酒の数量がこれを超える場合には、たばこ・酒輸入業許可証の写しまたは財政部が承認した書類を添付しなければならず、そうしてはじめて輸入が許可される。

 このほか、最高行政裁判所2009年判字第259号判決を参照すると、たばこ・酒管理法における刑罰の適用除外化は、その処罰の可能性を排除するものではなく、その法的効果を刑事罰から行政罰に変更するものであり、法律の変更に該当する。

 行為時に改正されたたばこ・酒管理法が未施行で、処分決定時に新法が既に施行されていた場合は、行政罰法第5条の規定によると、行為後に法律の変更があった場合には処分決定時の、または行為者にとって最も有利な法律の法理を適用するものとされている。このため、当然、処分決定時の新法を適用して処罰すべきであり、法律の適用が過去に遡及するという問題は生じない。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

黒田法律事務所・黒田特許事務所 

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
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蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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