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第12回  行政院が公平取引法改正案を可決、捜索・差し押さえの権限などを追加


ニュース 法律 作成日:2012年12月24日_記事番号:T00041191

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第12回  行政院が公平取引法改正案を可決、捜索・差し押さえの権限などを追加

 12月6日、行政院は公平取引法改正案を可決した。主な重点は以下の通りである。

一.公平取引委員会は裁判所に対し捜索・差し押さえを請求することができる

 違法な独占、結合、連合行為など競争を制限する行為について公平取引委員会(以下「公平会」)は裁判所に対し違法な企業に対する捜索・差し押さえを請求できる。

二.「調査中止」制度の増設

 公平会の調査を受ける事業者がその違法の恐れがある行為を停止、取り消す具体的な措置を指定期限内に講じる意思を有する場合、公平会は調査を中止することができ、かつ事業者が確実に承諾内容を履行するか否かについて監督する。事業者が確実にその承諾内容を履行した場合、公平会は当該事案を直接終了することができる。

三.競争制限行為の調査・裁決期間を5年に延長

 企業が行う違法な競争制限行為は、通常、優勢な経済力をもって不当な利益を獲得するものであるため、このような競争制限行為の事案は複雑であり、調査に時間がかかることが多い。主管機関は企業の違法に関する具体的な証拠を収集するほか、経済学的な分析を用いて当該違法行為が市場競争に損害を与えることを証明しなければならない。従って、現行法における3年という調査・裁決期間では、主管機関は適時具体的な証拠を収集しての違法性の証明をできないことが多いため、公平取引法改正案では競争制限行為の調査・裁決期間を5年に延長している。

四.企業結合の申告基準に関する規定を改正

 現行法では、市場シェアを、企業の結合時に申告すべきか否かの基準の1つとしているが、市場シェアをどのように計算するかについて実務においてたびたび紛争が発生しているため、改正案では売上額を結合の唯一の申告基準としている。

五.連合行為の例外許可規定を増設

 企業連合行為の例外許可規定について、改正案では概括的な条項を追加している。すなわち、産業発展、技術革新または経営効率を促進するために必要なその他の共同行為であって、経済全体および公共の利益に資するものでさえあれば、主管機関に対し例外的に許可を申請できる。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

黒田法律事務所・黒田特許事務所 

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
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蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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