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07年10大ニュース!(1〜2位)


ニュース その他分野 作成日:2007年12月28日_記事番号:T00004674

月間5大ニュース

07年10大ニュース!(1〜2位)

 
【1位】高速鉄道、ついに開通

 台北~高雄間約345キロメートルを最速約90分で結ぶ台湾高速鉄路(高鉄)が1月5日、1日19往復で仮営業運転を開始した。 
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高速鉄道の開通で交通新時代の幕が開いた。高速鉄道が走行しているのは現在世界で9カ国・地域。先進国の証明でもある(YSN)

 日本の新幹線技術の海外への初輸出となった高鉄は、当初2005年10月の開通予定だったが、工事の遅延から延期が相次ぎ、最終的に1年2カ月遅れの開通となった。板橋~台北が未完成だったため、板橋~高雄左営までの暫定開通となったが、3月2日に台北駅までの全線開通が実現した。

 便数は現在1日113便に増え、乗車人数も12月21日に1,500万人を突破した。11月にはそれまでの全席指定席から、30%安い自由席が導入された。

 9月に行われた調査によると、高鉄利用者の7割近くが日帰りで利用しており、また、通勤通学での利用も増えていることから、高鉄の出現で台湾の旅行スタイル、ライフスタイルに変化がもたらされていることが分かる。一方、利用者の不満として「運賃の高さ」と「駅と市内を結ぶアクセスの悪さ」が多く上がっており、特に後者は改善が待たれる。

 高鉄の出現により航空域内線や高速バスは客足を奪われ経営が苦しくなっている。航空各社は今年、路線の廃止や便数の削減、思い切った値下げの断行など、相次いで対抗策を打ち出した。しかし、依然苦戦を強いられている。



【2位】中正紀念堂、27年の歴史に幕

 故蒋介石総統を記念し、かつて台湾のランドマーク的存在だった中正紀念堂が5月19日、台湾民主紀念館へと名称を変更した。台湾政府として蒋総統の顕彰を止める、中正紀念堂の廃止に当たり、民進党政権が推進する「脱蒋介石化」政策の中で、象徴的な意味を持つものとなった。
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国民党の総統選候補者、馬英九氏は当選すれば再び「大中至正」に戻す意思を示したが、説得力のある論理を示せるのだろうか(YSN)

 いったんは名称変更が決定されたものの、野党多数の立法院は6月に「台湾民主紀念館組織条例」を否決して、台湾民主紀念館の名称を無効化するなど混乱が続いた。「国定古蹟」の認定を受けて、取り扱いの主導権を回復した教育部は12月、蒋総統の座右の銘だった正面楼門の、「大中至正」(中庸が最も正しい、の意)の文字を撤去し「自由広場」に改めた。

 中正紀念堂の廃止は、反蒋介石・国民党を強く訴え、来年の立法委員選挙と総統選挙に向けて有権者の台湾アイデンティティーを喚起しようという民進党の選挙戦略でもある。反対派からは、「政府は族群(エスニックグループ)間の対立をあおるな」という非難の声が上がったが、「大中至正」の文字撤去に対し、組織的な抗議活動などは行われなかった。

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