ニュース 法律 作成日:2017年11月13日_記事番号:T00073895
知っておこう台湾法LINE、WeChatなどの携帯電話インスタントメッセージソフトの普及に伴い、アカウントの不正使用、消費者が購入したスタンプの原因不明の消失などのトラブルが後を絶たない。携帯電話の通信アプリによって引き起こされる問題を解決するため、経済部は2017年9月下旬、「インスタントメッセージソフトウエアサービス約款に記載しなければならない事項および記載してはならない事項(以下『本事項』という)を公布した。その内容は「消費情報の開示」、「アカウント使用の管理」、「システムセキュリティー維持」、「契約条項の公平性」および「個人情報の保護」など主に5つの分野に及んでいる。
施行は18年5月
本事項における重要規定には次の内容が含まれる。
1.定義
「本事項にいう『インスタントメッセージソフトウエアサービス』とは、事業者の主たるサービス内容が、消費者がコンピューター、スマートデバイスまたはその他の電子化媒体を使用し、インターネットによる音声、画像、文字、データ、ファイルまたはその他の情報の伝送を通じて、特定可能な1対1または1対複数による情報の即時伝達、対話の閉鎖型の通信サービスを行うことを指す。電子メール、チャット、電子掲示板またはその他のネットワークプラットフォーム等が提供する付属通信サービス機能は含まれない」
2.記載すべき事項の4(セキュリティー維持の責任)
「事業者は消費者アカウントの管理およびシステムセキュリティー維持について、以下の情報を明記しなければならない。
(一)消費者が他人によるアカウントの不正使用に遭った際の通知方法。事業者は消費者のアカウントが不正使用されたのを確認した後、直ちに当該アカウントの使用を停止しなければならない。法令の規定または正当な事由がある場合を除き、パスワードの変更を申請するよう消費者に通知した後、当該アカウントの使用を回復させなければならない
(二)消費者の端末装置において、変更または不法侵入によってそのアカウントが削除された場合、事業者に関連情報を提出してアカウントの回復、代金前払いまたは代金支払により購入した付加価値サービス商品の回復に協力するよう申請することができる
(三)事業者はそのシステムが現在の科学技術または専門的な水準において合理的に期待することのできるセキュリティー性に適合しているよう維持しなければならず、消費者による本サービスの使用に関する記録または個人情報が不法に侵入、取得、改ざん、毀損(きそん)されることを防止しなければならない。システムが不法侵入に遭い、または破壊された場合、合理的な措置を講じた後、出来る限り速やかに回復させ、消費者が被った損害について賠償責任を負わなければならない」
3.記載してはならない事項の5(事業者による無断での契約解除または終了による賠償責任の免除)
「事業者が無断で契約を解除または終了することができると約定してはならない。事業者が契約の解除または終了によって負わなければならない賠償責任を事前に免除してはならない。」
本事項は18年5月1日より実施される。*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
蘇逸修弁護士
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