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第1回 台風休みの発令基準/台湾


ニュース 社会 作成日:2022年9月12日_記事番号:T00104679

ワイズニュースこぼれ話

第1回 台風休みの発令基準/台湾

 ワイズニュース読者の皆さま、いつもご愛読ありがとうございます。編集長の青木樹理です。ワイズニュースは台湾の政治・経済・社会ニュース延べ数百本の中から、厳選したニュース20本余りを毎平日午後4時ごろにお届けしています。

 当日掲載するニュースを検討するため、編集部は午前7時から編集会議を開催しています。編集の過程では「役に立たないけれど面白い」ニュースや余談に触れることや、日々のニュースの流れを見ているうちに「そうだったのか」と気づくこともあります。

 緊急・重要ニュースを優先するため、ワイズニュース本編には泣く泣く掲載できなかったこぼれ話を、この場をお借りして、ご紹介します。第1回は「台風休みの発令基準」です。

風速や雨量で判断

 今夏は台風が一度も台湾に上陸していませんね。台湾では警報ではなく、各県市政府が「停班停課」(いわゆる台風休み)を決定し、政府機関や学校を休みにします。政府機関や学校の所在地だけでなく、居住地や通勤通学経路が「停班停課」なら休みです。

 台風接近時の災害防止が目的のため、県市政府に倣って休みにする民間企業も多く、判断は責任重大です。もちろん空を見上げて「エイヤ!」で決定するわけでなく、「天然災害停止上班及上課作業弁法」に従い交通部中央気象局の予報や観測を基に、前日午後10時までに終日または午前の「停班停課」を決定します。

 「停班停課」の判断基準は、中央気象局の予報が、4時間以内に暴風域に入る地域で、風力7(風速13.9~17.1メートル毎秒)以上、または最大瞬間風速10(24.5~28.4メートル毎秒)以上の場合です。風力7は、強風(大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩きにくい)で日本の海上風警報に相当し、最大瞬間風速10は、全強風(根こそぎ倒される木が出始める。人家に大きな被害が起こる)で日本の海上暴風警報に相当します。

 「停班停課」の判断基準はもう一つあります。中央気象局の予報または観測で、24時間降水量が一定の基準以上の場合です。台北市や新北市、新竹市、台南市は350ミリ、台中市や高雄市は平野部で350ミリ、山間部で200ミリです。山間部の一部地域や、特定の学校のみが「停班停課」とすることもあります。

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台北・新北・基隆市は統一

 台北市、新北市、基隆市は2012年以降、原則として統一して「停班停課」を発令することにしました。市をまたいで通勤通学する人が多いためです。ところが18年夏に、それぞれ異なる判断を下し、大混乱を招いたことがあります。そのため今後は、3市統一での「停班停課」発令となることでしょう。

大雨休暇、台北市と周辺県市が統一判断

2012年6月19日

https://www.ys-consulting.com.tw/news/37752.html

北部3市の台風休み、判断異なり大混乱

2018年7月12日

https://www.ys-consulting.com.tw/news/78088.html

夜10時までに発表

 主要県市が「停班停課」を発令すれば、ワイズニュースは「緊急速報」としてメール、チャットワーク、ホームページでお知らせしています。

 午後10時までに各県市政府の発表がなければ、翌日は通常通りとは限りません。午前4時半までに発令した場合は午前8時から、午前10時半までに発令した場合は午後や夜間(午後6~12時)のみ「停班停課」となります。もちろん状況によって、随時「停班停課」が発令される可能性があります。

 

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青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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