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第5回 コロナで現職優勢?台湾の統一地方選挙(1)/台湾


ニュース 社会 作成日:2022年11月7日_記事番号:T00105695

ワイズニュースこぼれ話

第5回 コロナで現職優勢?台湾の統一地方選挙(1)/台湾

 11月26日(土)投開票の統一地方選挙まで、残り19日となりました。街中で大型看板や選挙事務所、大型集会を目にした方も多いのではないでしょうか。

 市政の運営を担う県市長、県・市議会議員、村長・里長(最小行政単位の長)など1万1023人を選出します。同時に、蔡英文・政権の中間評価、2024年1月に行われる予定の総統・副総統選挙の前哨戦ともいわれ、22県市のうち、いくつの県市で公認候補を当選させられるか、与野党の対決の場でもあります。

現職多い国民党優勢

 話題の出来事をビッグデータで分析するサイト「網路温度計(デイリービュー)」が10月29日に発表した予測では、与党・民進党が5県市(現在6県市)、野党・国民党が15県市(現在14県市)、台湾民衆党が新竹市1市(現在1市)、無所属が苗栗県1県(現在1市)と、ポスト数はほぼ変動がない見通しとなっています。

《18年統一地方選挙》国民党が大躍進、中南部含む15県市 2018年11月25日

https://www.ys-consulting.com.tw/news/80577.html

2人の票集中で「棄保」

 5日午後には、台北市長選候補のテレビ討論会が行われました。3人が選挙公約(マニフェスト)を表明したほか、国民党公認候補の蒋万安・立法委員(43歳)と台湾民衆党が支援する無所属の黄珊珊・前台北副市長(53歳)が、民進党公認候補の陳時中氏(68歳)に対し、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官時代の新型コロナウイルス感染症ワクチン調達について批判するなど、対立候補のネガティブキャンペーンも盛んです。

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 こうした有力候補3人が出馬し、三つ巴(どもえ)の選挙戦となっている県市では、Aの当選を妨げるため、BとCの支持者の票をBに集中させる「棄保」という言葉もよく聞かれます。もともとは、あまり重要でない駒を捨て重要な駒を守る「棄車保帥」という将棋用語です。

 前回の統一地方選挙は、投票率が66.11%(6直轄市)・66.96%(その他県市)でしたが、今年は新型コロナで航空便が回復しておらず、海外からの帰省者の票が減少し、選挙情勢に影響するかもしれません。

 ワイズニュースは投開票日26日夜に緊急速報を、翌日27日に選挙特集号を発行いたしますので、ぜひご覧ください。

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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