第8回　南国で寒いクリスマス？低温特報と体感温度／台湾

　寒波の到来を受け、交通部中央気象局は16日以降、低温特報を何度も発令しています。夏に気温36度以上で高温特報が発令されたように、気温が10度以下に下がる場合、低温特報が発令され、防寒対策が呼び掛けられます。

/date/2022/12/26/20ali_2.jpg 気温が5度以下まで下がり、朝の最低気温0度を観測した嘉義県の阿里山は、紅葉が8割ほど進みました（行政院農業委員会林務局嘉義林区管理処）

　低温特報の黄色信号（寒冷）は、平地で気温10度以下、オレンジ信号（非常に寒冷）は気温6度以下か、10度以下かつ24時間連続で12度以下、赤信号（厳寒）は24時間連続で6度以下です。

/date/2022/12/26/20weather_2.jpg

　寒波は、台北観測所の最低気温が10度以下になる日と定義しています。1981～2010年の平均は6.6日。16～17年や18～19年の冬は1日もありませんでした。

体感温度は氷点下？

　先日参加した大学OB会の尾牙（忘年会）では、「台湾は意外と寒い」「体感温度は氷点下」という話題で盛り上がりました。

　体感温度は、気温と湿度と風速から算出されます。例えば、相対湿度（RH）70％（台湾の相対湿度は平均75％）として、気温10度の場合、風速4キロメートル毎秒で体感温度は7度、気温6度の場合は体感温度2度といった具合です。気温6度でも風速8キロメートル毎秒なら体感温度0度となります。

　急に冷え込むと、心血管疾患による死亡や、ホームレスの凍死など、寒さに関連する死亡のニュースをよく見掛けます。気温だけをみると、日本ほど寒くないように感じてしまいますが、注意が必要です。

気温低下で突然死、2日で99人／台湾　2022年12月19日

　台湾は北回帰線が通る嘉義、花蓮より北部は亜熱帯気候、南部は熱帯気候で、常夏の南国かと思いきや、暖房が少なく、夏場の暑さ対策でタイルの床が多いので、実際の体感温度はもっと低いような気がします。筆者も台湾に来た当初、室内でも寒さで震えていました。

　中央気象局によると、今週は寒さが徐々に和らぎますが、放射冷却で朝は冷え込む予想です。暖かくして良いお年をお迎えください。

青木樹理

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

ワイズコンサルティング・グループ