ニュース 政治 作成日:2025年3月14日_記事番号:T00120582
台湾有事頼清徳・総統は13日の記者会見で、台湾統一を目指す中国を「域外敵対勢力」と指摘し、中国の台湾社会や軍などへの浸透工作に対抗するため、軍事審判制度を復活させるなど17項目の措置を発表した。これに対して、中国側は「両岸(中台)の平和を破壊し、台湾海峡に危機を引き起こす」と批判しており、台湾海峡の緊張が高まり、中台の経済・貿易関係や交流などに影響が広がる恐れがある。中央社電などが伝えた。
頼・総統は、台湾の2300万人の自由と民主を守るため努力を続けると決意を表明した(13日=中央社)
頼・総統は同日、国安高層会議(国家安全ハイレベル会議)を開き、閣僚らと中国の統一戦線や浸透への対応を協議した後、総統府で談話を発表した。この中で、中国はすでに反浸透法で定める「域外敵対勢力」だと指摘し、「政府にもはや選択肢はない。さらに積極的な方法をとらなければならない」と強調した。
その上で、中国から台湾に対する脅威として、国家主権、軍や社会への浸透工作など5つを挙げ、台湾の主権と民主を守るため、中国の政治的な影響を排除するなど17項目の措置を発表した。
■軍事審判制度を復活へ
中でも、台湾で2024年に機密情報を中国側に漏らすなどしてスパイの罪で64人が起訴され、このうち現役と退役の軍人が6割以上を占めたとして、戦時のみに限定されている軍事審判法を平時でも適用できるよう改正する考えを示した。
また、中国の身分証を保有する台湾人が相次いで発覚していることを受けて、保有者の監視を強化するほか、中国・香港・マカオ出身者の台湾定住手続きを厳格化することも対策に盛り込んだ。
台湾の若者が中国で就業や起業を目指す動きを抑制するため、中国に関するリテラシー教育を強化し、台湾内の就職・起業支援策を拡充するよう教育部などに指示した。
■中国で失跡・拘束、71人
頼・総統はさらに、24年1月以降、中国で失跡したり拘束されたりした台湾人が71人報告されていることを明らかにした。実際の数はさらに多い可能性があるとして、渡航リスクを周知して安全確保に努める方針を示した。
一方、中国で対台湾政策を担う中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華・報道官は13日、頼・総統の談話について「台湾社会を分断し、民衆を独立という危険な道へ引き込んでいる」と非難し、「台湾独立勢力が一線を越えれば、断固たる措置を取る」とけん制した。
中国では、台湾が独立を宣言した場合に「非平和的手段」を取ることを定めた反国家分裂法施行から14日で20周年を迎えた。頼・総統は「中国側の発言に惑わされることなく、台湾の主権と民主を守るため努力を続けていく」と訴え、結束を呼びかけた。
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