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第66回 娯楽として楽しんで?台湾有事ドラマ『ゼロデイ』


ニュース 社会 作成日:2025年7月28日_記事番号:T00123117

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第66回 娯楽として楽しんで?台湾有事ドラマ『ゼロデイ』

 8月2日から中国の台湾侵攻を題材にしたドラマ『零日攻撃 Zero Day Attack』の放映、配信が始まります。6月13日に封切りしたドキュメンタリー映画『看不見的国家(見えない国家)』(バネッサ・ホープ監督)や、『造山者 世紀的賭注(A Chip Odyssey)』(蕭菊貞・監督)に続き、近年の台湾が置かれた立ち位置を再認識させられる作品です。

/date/2025/07/28/20mei_2.jpg監督の鄭心媚氏(22日=中央社)

■日常生活がいつの間にか…

 YouTube(ユーチューブ)で予告編(中国語と英語字幕)を見てみると、大勢の人々が集まる集会、平和への決意を世界に示すという選挙演説、その背後での突然の爆発、中国軍が海上での墜落事故の捜索目的で出動、その後の台湾完全包囲、全台湾でのインターネットの24時間断絶など、まるでパラレルワールド。いつも生活している総統府周辺など見慣れた風景がロケ地で、ますます緊張感が高まります。

 タイトルの「ゼロデイ(攻撃日)」は中国軍が台湾に上陸する日を指します。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻と、22年8月からの中国軍の台湾周辺での軍事演習に着想を得た作品です。永遠にフィクションであってほしいと願います。

■おいしい・親切以上の台湾を

 監督の鄭心媚氏(メイ監督)は、「台湾人にしか語れない、緊急に語るべきストーリー。台湾の視聴者にはエンターテインメントとして楽しむと同時に、グレーゾーン攻撃への警戒心を持ってほしい」と話しました。総統を演じた謝怡芬(ジャネット)は、「このドラマはきっと全世界に影響を与える。勇気を持って世に送り出す」と語りました。日本人俳優の高橋一生と水川あさみは、「難しいテーマをエンターテインメントとした作品」と説明しました。

 「台湾有事がエンターテインメント」と聞くと驚いてしまいますが、誰もが台湾海峡の状況をよく理解しているわけではありません。日台交流が進む中、エンターテインメントとして、「台湾人は親切」「台湾グルメはおいしい」以上の台湾理解が広がってほしいという思いを感じました。

■日本とインドネシアでも

 台湾では、8月2日から毎週土曜日の午後9時からオムニバス方式で全10回、地上波テレビの公共電視台(公視)や、LINE TV、中華電信MOD、Hami Video、台湾大哥大MyVideoなどで視聴できます。日本では8月15日からアマゾンプライムビデオで配信され、インドネシアでも16日から配信されます。

 

有事ドラマ「零日攻撃」、日台で配信

https://www.ys-consulting.com.tw/news/122525.html

中国軍の台湾侵攻描くドラマ、政府が1億元以上出資/台湾

https://www.ys-consulting.com.tw/news/116784.html?pop=&frm

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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