ニュース その他分野 作成日:2025年6月9日_記事番号:T00122137
ワイズニュースこぼれ話個人消費を示す経済指標の一つ、新車販売台数は3月、4月、5月と前年割れが続いています。いわゆるトランプ関税、米国の相互関税が90日間停止となり、米国と各国の貿易交渉が続く中、7月9日以降の景気見通しが不透明ということのほかに、米国との非関税障壁を解消するため、台湾が輸入関税や貨物税(物品税)の税率を引き下げ、台湾で輸入車の価格が下がるのではないかという、消費者の目論見があるようです。
4月新車販売11%減、米国関税で模様眺めムード
https://www.ys-consulting.com.tw/login/?next=/news/121472.html
5月新車販売23%減、貨物税引き下げ検討で購入見合わせ
https://www.ys-consulting.com.tw/news/122028.html
■数十万元の節税に
台湾で消費者が購入する輸入車は、関税が17.5%かかり、さらに貨物税が25%か30%、営業税が5%かかります。車の価格が300万台湾元(約1400万円)以上の場合は、奢侈税(ぜいたく税)が10%かかります。このため、台湾の価格は1.6~1.7倍に膨らみます。
自動車貨物税の引き下げ検討、対米関税交渉で
https://www.ys-consulting.com.tw/news/121312.html?pop=&frm=
米国の貿易交渉の結果、これらの関税、貨物税、営業税などが引き下げられることになれば、車の購入費用が数十万元単位で軽減する可能性があるので、消費者が様子見になるのも当然でしょう。
■関税引き下げ、賛成が7割
台湾の野党、時代力量の2023年の世論調査ですが、輸入車の関税、貨物税引き下げに賛成している人は70%に上ります。
米国からの輸入車は、▽電気自動車(EV)大手のテスラ(モデル3、モデルS、モデルX)、▽BMW(X4、X5、X6、X7、XM)、▽メルセデス・ベンツ(GLE、GLEクーペ、GLS)、▽トヨタ(シエナ)、▽日産(インフィニティQX60)、▽フォード(マスタング)──。人気車種が並びます。
■元高で輸入車人気に
新車販売市場はもともと台湾生産車が多数を占めていましたが、元高効果で2013年に輸入車シェアが3割を突破、その後も輸入車人気が続き、今年5月は輸入車が50.8%と、過半を占めました。
日系輸入車シェア奪回にアクセル 2015年8月7日
https://www.ys-consulting.com.tw/news/58595.html
輸入車シェア拡大、台湾元高進行で 2017年11月24日
https://www.ys-consulting.com.tw/news/74135.html
1米ドル=30元前後と、2年ぶり元高水準となる中、米国との貿易交渉の結果次第で、下半期(7~12月)は輸入車のリベンジ消費(報復性消費、自粛の反動)が起こるかもしれません。
青木樹理
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