皆さま、お久しぶりです！コーヒー文化が浸透している台湾では、大手チェーンのスターバックスやダンテコーヒーだけでなく、次から次へと新しいカフェがオープンしています。今回は台北ＭＲＴ板南線の江子翠駅（新北市板橋区）から徒歩４分の場所で、おいしいコーヒーと料理を提供している日本人オーナーのこだわりカフェ、「ATTS COFFEE」をご紹介します。ご案内役は台湾日立化成国際の松浦徹董事長です。

伊藤邦夫さん（後左）と奥様の加代子さん（前）、松浦徹・台湾日立化成国際董事長（後右）

一念発起で起業

　ATTS COFFEEは今年２月27日にオープンしました。オーナーの伊藤邦夫さん（62）は以前は別の仕事をしていましたが、台湾駐在員時代に「台湾コーヒー」と出会って味の深さに感動。「このコーヒーを自分の店で焙煎して多くの人に飲ませてあげたい！」と考え、台湾で店を開く一大決心をしました。全く未経験の分野でのゼロからのスタートだったため、解決しなければならない課題が山ほど出て眠れない日が続きましたが、それでも家族や台湾人の友人の支援でなんとか開店できたとのこと。今や台湾のテレビや雑誌にもよく紹介される人気カフェとなりました。

　ATTS COFFEEは、ドアをくぐるとすぐ右手に焙煎機があります。大型１台、小型を奥に２台用意し、豆の状態や気温によって焼き方を工夫します。焙煎中はコーヒーの香りがとても心地良く、大型コーヒーチェーン店では決して味わえない雰囲気を満喫できます。

焙煎機とコーヒー豆

　自慢の台湾コーヒー（１杯230台湾元）は雲林県古坑郷などで栽培される地場アラビカ豆で、ドリップ式で１杯ずつ丁寧に淹れます。ブラックで飲んでも苦みが少なくまろやかで、自然の甘さとコクが広がります。台湾コーヒーは長い歴史があるのですが、知名度が上がってきたのは最近のことで、その質の良さが多くのコーヒーファンの支持を集めるようになりました。伊藤さんの息子の篤臣さんは日本のスペシャリティコーヒー協会のコーヒーマスターの資格を持っており、「彼の焙煎技術は最高で、頼もしい味方です」と伊藤さんは語ります。

自慢のコーヒー

料理も秀逸

　ATTS COFFEEでは奥様の加代子さんが、細かい心配りとセンスで、プロ顔負けの料理やデザートを提供してくれます。ランチの「渋谷」、「代官山」、「恵比寿」、「中目黒」（各150元）や、ディナーの「新宿」（250元）、「銀座」（300元）など東京の地名を冠したセットメニューがあり、特にドライカレーの「渋谷」は人気で、これを目当てに訪れるお客も多いそうです。

大人気のドライカレー

　取材した際にいただいた「銀座」のディナーセットは、食前酒の梅酒、サラダ、スープ、ハヤシライス、シフォンケーキなどとボリューム満点で、ほどよい酸味のまろやかなハヤシライスは台湾ではなかなか味わえない一品でした！

　誕生日や記念日にはお祝いパンケーキ（200元）を用意してくれます！５枚重ねのパンケーキにいろいろなフルーツを段重ねにして、生クリームをスカイツリーのように飾ってくれます。愉快な見た目で、思い出に残ること請け合いですよ。また、アフタヌーンティー・タイムには大人気の特製フルーツパンケーキ（120元）とチョコパンケーキ（90元）の２種類を提供しています。

特製フルーツパンケーキ

　日々誠実に努力している素敵なお店なので、伊藤さんの駐在員時代からの友人である松浦さんは、伊藤さんと奥様のことを心から応援しているとのことです。

魅惑の萩ガラス

　ところで、同店は台湾で唯一の「萩ガラス」の販売代理店でもあります。萩ガラスは山口県萩市笠山で採掘された玄武岩を原料に含む、独特の淡い緑色が特徴のガラス製品で、その品質の高さから江戸初期には朝廷にも献上されました。３層構造でデザインのひびを内側に封じ込めた「内ヒビ貫入ガラス」など、魅力的な製品は台湾ではATTS COFFEEでしか手に入りません。

萩ガラスのグラス

　ATTS COFFEEでは、10月から11月５日まで、太平洋崇光百貨（太平洋そごう）復興館の高級スーパー、City superでコーヒー豆の販売ブースを開設します。なかなかお店に行けない方も、新鮮な生豆から作る焙煎豆をぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

（取材／ワイズコンサルティング・佐々木緑）

ATTS COFFEE
住所：新北市板橋区區文化路二段182巷七弄
（ＭＲＴ江子翠 ３番出口 徒步４分）
電話番号：02-8252-1701
営業時間：火〜金11:00〜21:00／土9:00～21:00／日9:00～19:00迄（定休日：月）