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2013年1〜3月期台湾機械輸出入速報


リサーチ 経営 台湾事情 その他 作成日:2013年7月8日

機械業界

2013年1〜3月期台湾機械輸出入速報

記事番号:T00044632

 機械製品の輸出は前年同期と比べ、7.9%減のマイナス成長を見せた。一方、輸入は13.8%増の大幅な成長であった。ポストECFA時代と言われる2013年、機械製品の輸出は依然としてその不確定性が残されている。

 

1、機械輸出

 2013年1ー3月期の台湾機械輸出はマイナス成長となり、輸出額は43億1,440万ドルであった。前年同期と比べると7.9%減のマイナス成長である。新台湾ドルに換算した場合、輸出は1,265億新台湾ドルとなり、前年同期に比べ9.1%減のマイナス成長となった。

 2012年の台湾機械輸出額は201億ドルで、前年同期比は1.8%減のマイナス成長だった。特に2012年Q4は前年同期比で大きな減少を見せた。2013年1-3月期の台湾輸出総額は2兆1,304億新台湾ドルで、前年同期比は1.1%増加。その内訳は、電子製品15.0%増、繊維製品8.7%減、IT製品9.0%減、電機製品15.0%増、鋼鉄6.1%減、石油化学製品1.7%減、機械製品9.1%減(新台湾ドルでの計算)等となっており、全体的にはマイナス成長の様相を呈した。こうした輸出実績は決して理想的とは言えない。

 2013年の台湾機械輸出の月別輸出は次に示す通りである。1月の輸出額は455億新台湾ドル、昨年同月比は0.6%減。 2月の輸出額は318億新台湾ドル、昨年同月比は28.0%減。 3月の輸出額は491億新台湾ドル、昨年同月比は0.1%減。

 

2、台湾機械の主な輸出先

⑴機械輸出

 2013年1-3月期の台湾機械の主な輸出先は次の通り。一位は中国、輸出額は11億7,805万ドルで、輸出総額の27.3%を占めている。二位は米国、輸出額は6億8,115万ドルで、輸出総額の15.8%を占めている。三位は日本、輸出額は2億8,274万ドルで、輸出総額の6.6%を占めている。前年同期比は2.7%減のマイナス成長。詳細は表一をご参照下さい。

 中国への輸出の月別輸出は次の通りである。1月の輸出額は4.42億ドル、昨年同月比は45.6%増。2月の輸出額は2.29億ドル、昨年同月比は46.5%減。3月の輸出額は5.05億ドル、昨年同月比は15.1%減。

⑵工作機械の輸出先

 2013年1-3月期における台湾工作機械の輸出額は7億7,805万ドルに達し、前年同期比は21.7%減のマイナス成長であった。2割超えの円安の影響を受けて、海外バイヤーからの注文に影響が出た結果、工作機械の輸出は苦戦を強いられることとなった。

 2013年1-3月期における台湾工作機械の輸出先上位15か国は次の通り。一位中国、輸出額は2億4,398万ドル、輸出総額の31.4%を占めており、前年同期比は23.5%減のマイナス成長。二位アメリカ、輸出額は9,675万ドル、輸出総額の12.4%を占めており、前年同期比は14.4%減のマイナス成長。三位タイ、輸出額は5,736万ドル、輸出総額の7.4%を占めており、前年同期比は15.3%減のマイナス成長。詳細は表二をご参照ください。

 4位以下の前年同期比は順を追って、トルコ32.5%減、インドネシア13.8%減、ドイツ31.2%減、インド28.0%減、オランダ15.1%減、韓国0.9%減、ロシア6.3%増、日本17.9%増、ブラジル35.5%減、マレーシア41.7%減、イギリス36.5%減、ベトナム26.2%減であった。輸出相手国上位15か国は工作機械輸出総額の約82%を占める結果となった。

 

3、機械輸入

 2013年1-3月期における機械設備の輸入は大幅に成長し、輸入総額は55億8,290万ドル、前年同期比は13.8%増の成長を見せた。新台湾ドルに換算すると、輸入総額は1,643億新台湾ドルに達し、前年同期比は12.3%増の成長である。月別輸出は次の通りである。1月の機械輸入額は574億新台湾ドル、昨年同月比は28.4%増。2月の機械輸入額は443億新台湾ドル、昨年同月比は5.0%増。3月の機械輸入額は630億新台湾ドル、昨年同月比14.9%増。

 2012年度の台湾機械輸入額を米ドルに換算すると、13.5%減のマイナス成長となった。これは輸入市場の不振と新興国の機械設備への需要減少のためであり、台湾国内のIT産業がこうした市場への投資の手を緩め始めたこともここからうかがえる。2013年1月の輸入は大幅に増加し、2月には減少した。そして3月には再び大幅な増加へと転じた。

 

4、台湾の機械主な輸入先

 2013年1-3月期における台湾機械の主な輸入先は次の通り。一位日本、輸入額は17億6,691万ドルで、輸入総額の31.6%を占め、前年同期比は1.2%減のマイナス成長。二位アメリカ、輸入額は12億6,446万ドル、輸入総額の22.6%を占め、前年同期比は35.4%増の成長。三位オランダ、輸入額は6億995万ドル、輸入総額の10.9%を占め、前年同期比は39.9%増の成長。詳細は表三をご参照ください。

5、2013年の台湾機械の主な輸出相手国の経済成長率

⑴2012年経済成長率

 2012年の世界経済成長率は2.6%であり、その中で台湾の成長は1.3%を占めた。これは経済成長が機械の輸出に影響を与える最大原因であるためと言える。台湾機械の主要輸出相手国の経済成長率は、中国7.7%、アメリカ2.3%、日本2.0%、タイ5.4%、ドイツ1.0%、ベトナム5.1%、インドネシア6.2%、インド5.1%、韓国2.1%、マレーシア5.1%等となっている。この輸出相手国上位十か国の経済成長率は前年より停滞気味で、機械設備への購買意欲も低下の一途をたどっている。

⑵2013年経済成長率の予測

 2013年世界経済の成長率は2.6%と予測されており、台湾の成長率は3.6%となっている。台湾機械輸出相手国の上位十か国の経済成長率予測は、中国8.1%、アメリカ1.8%、日本0.6%、タイ4.3%、インドネシア6.1%、ベトナム5.2%、ドイツ1.0%、インド6.0%、マレーシア4.7%、韓国2.0%である。詳細は表四をご参照ください。

 

6、台湾機械の輸出に影響を与える要素

 2013年1-3月期における新台湾ドル対米ドルの平均為替レートは29.33NT$/US$であり、前年同期比は1.36%の値上がりとなった。現在の新台湾ドル対米ドルの為替レートは下落して、約29.94NT$/US$となっている。金融危機が発生して以来、大韓民国ウォンは値崩れを起こしており、2008年における大韓民国ウォン対米ドルの為替レートに比べると17.7%の値下がりとなっている。一方、新台湾ドル対米ドルの為替レートは9.9%の値上がりで、大韓民国ウォンと比較した場合、約三割もの差が生じる。このため、台湾製品は世界市場において競争力を落とす結果となった。

 ECFAが締結されて以来、中国では台湾からの機械設備輸入は税率軽減の適用範囲となっている。台湾と中国は更なる関税の引き下げを試みようと、2013年年末を目処に貿易協議を完了させる見通しである。一方、EU・韓国間のFTAは2011年7月1日より発効、米・韓国間のFTAは2012年3月15日より既に実施されている。

 今後、鋼鋳物などの原材料価格は乱高下の可能性がある。日本円対米ドルは20%以上もの大幅な値下げとなったうえ、通貨安競争に出た韓国も対米ドルで大幅なウォン安政策を展開しているためだ。一方、新台湾ドルには安値を付ける兆候は見られず、逆に値上がり傾向にある。キーコンポーネントの受注は徐々に安定化の様相を呈しているものの、ラッシュオーダーや短期オーダーなどへの柔軟な対応や迅速な出荷能力など、事業主に求められる課題は多く、アジア通貨対米ドルの通貨安競争も、2013年の台湾機械輸出に影響を与える重要な要素となるのは確かだろう。

 

出典:TAMI(2013年4月)

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