ニュース 政治 作成日:2024年2月21日_記事番号:T00113854
台湾有事海洋委員会海巡署は20日、同日午前9時5分、中国福建省アモイ市に近い台湾の離島、金門県の周囲に台湾側が設定した「禁止・制限水域」(領海、接続水域に相当)内に中国当局の海洋監視船「中国海監8029」が侵入しているのをレーダーで捉えた。海巡署はただちに現場に巡視艇を派遣し、同水域への無許可での進入は禁じられていると中国の監視船に通知した。1時間近くにらみ合いが続いた後、監視船は10時5分に同水域を離れた。21日付中国時報などが報じた。
転覆した中国漁船の乗組員で生き残った2人は20日、中国に送還された(20日=中央社)
今月14日、金門県の禁止水域内で漁を行っていた中国籍漁船が海巡署の取り締まりから逃れようとして転覆し、中国人船員2人が死亡した。中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)は17日、台湾当局の対応を非難した上で、アモイ市と金門県の間に禁止水域は存在しないとの声明を発表した。
中国漁船の転覆について海巡署は当初、「蛇行操縦の結果、不注意で転覆した」と説明していた。金門地方検察署が20日、海巡署の巡視艇と複数回、衝突していたと指摘した後、海巡署は、複数回の接触があったことを認めた。
国民党のシンクタンク、国家政策研究基金会の揭仲・副研究員は、金門の禁止・制限水域に侵入した中国の監視船は武装しておらず、同水域の管轄権を示すことが目的で、中台間の衝突が発生するような事態は望んでいないとの見方を示した。
国防部はきょう21日、中台間の緊張をいたずらに高めないよう、中国漁船の転覆事件には介入しないと表明した。
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