ニュース その他分野 作成日:2014年12月27日_記事番号:T00054660
月間5大ニュース【2位】高雄大規模爆発事故、32人が犠牲に
7月31日深夜、高雄市中心部の三多路や凱旋路などで、地下に埋設されていた石油化学製品の輸送管が相次いで爆発し、死者32人、負傷者321人を数える台湾で過去最悪の爆発事故となった。大都市の真下に危険な輸送管が張り巡らされていた事実が衝撃を与えるとともに、業者の作業の不手際、輸送管管理の怠慢にも厳しい目が向けられた。
大破した道路は今では復旧したが、被災地域の人々の衝撃は長く残ることだろう(中央社)
事故は、中堅石化メーカー、李長栄化学工業(LCYケミカル、栄化)が、極めて可燃性の高いプロピレンを、高雄港の倉庫から輸送管を通じて同社大社工場へ輸送する作業をしていた際に起きた。途中で輸送管の圧力が低下する異変に気付いていたものの、十分な究明を行わず作業を続けた結果、事故につながった。
いいかげんの連鎖で惨事に
捜査の結果、輸送管は1990年代初頭に建設された地下の排水溝支線を貫いており、同支線内の水分で腐食して穴が開き、プロピレンが漏えいしたことが分かった。下請けの施工業者がいいかげんな工事を行った上、高雄市当局による検査・管理も手抜きで、輸送管は20年以上点検が行われていなかった。経済部も高雄市も市内の地下輸送管の全体像を把握していなかったことも明らかとなった。
商業・住宅地域の真下に危険な輸送管が通っていた事実は市民に衝撃を与え、経済部は高雄市とともに輸送管の実態把握と検査に乗り出した。その結果、12月23日に計2,411カ所の改善点があるとの報告書を公表した。
そもそも、高雄市は歴史的経緯から中国石油(原台湾中油)のナフサプラント以下、大社、仁武の石化工業区が内陸部に設置され、その結果として石化輸送管が市内を通ることとなった。爆発事故はその弊害が最悪の形で吹き出たものといえ、経済部は再度の事故を避けるべく、高雄港に石化専用工業区を設けて、市内の石化企業を集約する方向性を決めた。住民移転の問題なども絡むため、来年も引き続き高雄市と協議を行っていく。
LCY董事長を起訴
爆発によって大破した道路は総延長が10.6キロメートルに及んだが、高雄市によって鋭意復旧工事が進められ、11月20日に4.4キロで自動車が通行できるようになり、12月20日には歩行者用の道路も利用が再開された。
12月18日、高雄地方法院検察署は、LCYの李謀偉董事長ら9人を公共危険罪で、高雄市工務局養護工程処の趙建喬処長ら3人を業務上過失致死罪で起訴した。LCYは「事故の真の原因は排水溝支線」と主張し、依然責任を回避する姿勢を崩していない。なお、12人は最も重い判決が下ったとしても最高で懲役5年にすぎない。
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