ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

14年10大ニュース!(3〜4位)


ニュース その他分野 作成日:2014年12月27日_記事番号:T00054661

月間5大ニュース

14年10大ニュース!(3〜4位)

 【3位】ヒマワリ学生運動、立法院を占拠

 中台サービス貿易協定に反対する学生らが3月18日、立法院に突入し24日間にわたって占拠を続けた。馬英九政権の対中傾斜に台湾社会が抱いていた不安感が、初めて具体的な形となって現れた社会運動は、象徴となった花から「ヒマワリ学生運動」と名付けられ、中台間の協定に対する監督条例成立をサービス貿易協定の審議に優先させる譲歩を馬政権から引き出した。当初2013年内の成立が目標だったサービス貿易協定は、馬総統の任期中は微妙となった。また、後続の物品貿易協定の交渉も遅れ、中台首脳会談計画が立ち消えになるなど、馬政権が進めてきた対中交流拡大がペースダウンした。一切情報を公開せずに中国と協定を締結した馬政権の密室的な手法に批判的だった運動参加者も多く、協定そのものに対しては必ずしも反対一色ではなかったが、運動は若者層の共感を呼び、年末の統一地方選での国民党惨敗につながった。


大勢の若者が立法院の内外で座り込みを続けた(YSN)

 50万人を動員した3月30日の大規模デモも含め、抗議活動が理性を保った形で行われたことは国際的にも高い評価を受け、9月に香港で起きた民主的選挙を求める学生運動にも影響を与えた。 

 一方、世界的に自由貿易協定(FTA)網の構築が進む中、最大の貿易相手であり、他国との経済協定交渉に影響のある中国との協定は避けて通れず、内容も台湾に有利とみられることから、開放を受け入れなければ台湾の競争力が落ちるとして、ヒマワリ運動に批判的な論調も経済界を中心に目立った。

【4位】統一地方選挙、国民党が空前の惨敗

 台湾全土22県市の首長や議員を選ぶ統一地方選挙が11月29日行われ、与党国民党は改選前の15県市から6県市に減らす空前の惨敗を喫した一方、民進党は13県市を獲得する大勝利を収めた。馬英九総統は国民党主席の引責辞任を表明し、政治的影響力を大きく低下させた。江宜樺内閣も総辞職した。


柯文哲氏(右)の当選は、政治の変革を求める民意が強かったことの証明でもある(YSN)

 国民党は長年押さえてきた台北市、台中市、桃園市を失い、6直轄市のうち確保できたのは朱立倫市長が予想外の辛勝となった新北市だけだった。大敗の背景には、馬総統の対中傾斜に対する不信感や、地価高騰などで苦しさが増した生活問題で馬政権がこれといった手を打ててこなかったことがある。

 台北市では、無所属の台湾大学医学院附設医院(台大医院)の医師、柯文哲氏が国民党名誉主席、連戦氏の長男である連勝文氏を24万票もの大差で破り目を引いた。柯氏は「青(国民党)対緑(民進党)」からの脱却を掲げ、インターネット上で若者を中心に支持を広げ、連氏が特権階級の代表格とみられて嫌われたこともあって歴史的な勝利を成し遂げた。

 国民党は馬総統の主席辞任に伴い、新たな主席を選んで態勢を立て直すこととなった。現段階で立候補の意思を表明しているのは朱市長のみで、就任が有力視されている。民進党は2016年の総統選での政権奪回が現実的な目標となり、蔡英文主席が再度出馬することが確実な情勢となった。

月間5大ニュース