ニュース その他分野 作成日:2014年12月27日_記事番号:T00054664
月間5大ニュース【5位】MRT無差別殺傷で4人死亡、打ち砕かれた安全神話
5月21日夕方、台北都市交通システム(MRT)板南線の電車内で、大学生の鄭捷被告(犯行当時21、殺人罪で起訴済み)がナイフで周囲の乗客に襲い掛かり、4人を死亡させ、24人に重軽傷を負わせた。台湾の公共交通機関で無差別殺傷事件が起きたのは初めてで、社会に大きな衝撃を与えた。
事件の現場となった江子翠駅(新北市板橋区)には、犠牲者を悼む多くの花束がささげられた(YSN)
警察の取り調べで鄭被告は、小学校6年生の時点で「人々を豪快に殺したい」と周囲に語っていたことを明かし、その後学業などのストレスから何人か殺して死刑判決を得て死ぬことにしたと犯行動機を語った。犯行後に「人を殺し終わって気分が良かった」と供述するなど全く反省の色を見せなかった。
新北地方法院検察署は6月から鄭被告の精神鑑定を行い、刑事責任能力を有すると判断して、7月に死刑を求刑した。現在も新北地方法院での審理が続いている。
台北MRT運営会社の台北大衆捷運(TRTC)によると、事件のあった5月21日から30日の間にMRT利用客は延べ94万5,000人減少。4月は1日当たり延べ約184万人が利用していたが、5月は約182万人、6月は約176万人に落ち込んだ。その後、事件の影響が和らいでか、松山線開通前の10月には約186万人まで回復している。
ただ、一度打ち砕かれた安全神話を取り戻すのは容易でない。7月に開通した台中市のバス高速輸送システム(BRT)藍線や、10月に開通した台北MRT松山線でも当初警察官が車内を巡回した。事件の記憶は当分の間、MRT利用者の心に苦い記憶となって残り続けることだろう。
【6位】復興機墜落48人死亡、悪天候の中で大惨事
高雄発馬公(澎湖県)行きの復興航空(トランスアジア航空)の旅客機GE222便(ATR72型)が7月23日、馬公空港手前の滑走路1キロメートル手前で墜落し、乗客・乗員合わせて48人が死亡、10人が重傷を負った。
事故当日、現地は台風10号(アジア名・マットゥモ)が通過した後で天候が不安定で、着陸時は風雨が強まっていた。着陸条件は満たしていたため機長は着陸体制に入ったものの失敗し、再浮上の後墜落した。
回収したブラックボックス2個のデータを解析している独立行政法人・飛航安全調査委員会(飛安会、ASC)は12月26日、機長、副操縦士の会話から視界不良により滑走路が見えなかったことが原因で、予定航路を外れ墜落したとの見解を示した。飛安会は引き続き事故原因を分析し、来年6月に調査報告書の草案の完成、10月にも最終報告を行う予定だ。
台湾の航空会社による乗客の死亡事故は12年ぶりで、以前は頻発していたものの、最近は安全性が向上したと評価されていた中での残念な事故だった。
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