皆さん、こんにちは。春節（旧正月）が近づき、会社の忘年会や友人との会合などで忙しい時期かと思います。

オーナーの葉さん（左）と李課長（右）

　今回紹介するのは高雄市苓雅区の日本料理店「御川屋（みかわや）」です。ご紹介者は台湾伊藤忠高雄事務所食品課の李元鐘課長です。同事務所の主な業務は缶詰用原料水産物の輸出で、特にツナ缶原料の三国貿易は年間約15万トンの規模。そのほかは冷凍野菜や果物、食品加工機械の輸入貿易などです。

新鮮な魚介類を空輸

　「御川屋」は現住所で営業されて５年になります。オーナーの葉耀鴻さんにお店のこだわりを教えていただきました。

　仕入れについては「懇意にしている澎湖島の漁船の船主さんに頼み、競りにかけられる前の新鮮な魚を高雄行きの一番早い飛行機に乗せて空輸しますので、昼には店に着きます」とのことです。店内にはいけすがあり、新鮮なエビ、カニなどが泳いでいます。日本からも空輸で新鮮なウニ、ホタテ、ブリなど旬のものを輸入しており、鮮度には特にこだわりがあるようです。

刺身の鮮度は抜群です

　２つ目のこだわりですが、「うちはサービス料を取りません。理由は店がサービスするのは当たり前だから！」とのこと。オーナーの商売哲学のようで、台湾では普通10％取られることを考えるとうれしいですね。

　オーナーは25年の板前の経験をお持ちで、鮮度管理や調理方法などは折り紙付きです。

　お店の前には高雄では有名な総合病院があるので、台湾人の医者や病院関係者、高雄の建設会社の社長さん、船主さんなどの客が多いようです。

お薦めは９品コース料理

　お薦めの料理はコース定食（９品、1,200台湾元）です。お昼には別途250元（５品）、600元（８品）のコースもあります。

　コースの内容は当日入荷した魚介類により若干の変更がありますが、それは鮮度の良い魚を板前さんが工夫しておいしく食べられるように考えているからです。では、私が今回いただいた９品を詳しく見ていきましょう。

　佐上生魚片（刺身）：マグロが入っていますが、南方系の魚種で名前が不明な魚の刺身もあります。鮮度は抜群で身も締まっています。

　山薬海膽（ヤマイモとウニ）：本日はホタテのソテーにメニューが変更されていました。北海道産の大きな生ホタテを炒めてあり、とてもジューシーで柔らかく、ほんのりとしたホタテの甘味も味わえます。

　握寿司（にぎりずし）：主に巻き寿司ですが、本日はマグロの鉄火巻きがメーン。いろいろな味を堪能できます。

　鮑魚磯煮（アワビの煮付け）：柔らかくコリコリした風味が食欲を増すアワビの煮付けです。味付けはしょうゆ味の薄味で、アワビの風味をうまく引き出しています。日本だったら相当値が張る一品だと思います。

　鮮烤時魚（季節の焼き魚）：本日はマグロの脂の乗ったトロの部分をぜいたくに焼いてあります。生で食べてもおいしいですが、焼き上げればより香ばしく、あっさりといただけます。

　日式炸魚（魚フライ）：本日はエビの天ぷらでした。大きなエビをサクサクの衣でまとって揚げてあり、コリコリでボリュームがあって食べ応えがありました。

日式炸魚（魚フライ）。エビの食感がたまりません

　橙︎汁明蝦（オレンジ風味のエビ）：今回はシバエビのゆでたものでした。新鮮なエビはゆでたものが一番エビのおいしさが味わえます。

　海藻魚片湯：甘いみそ汁です。具材として魚の切り身が入っています。

　水果（季節の果物）：本日はオレンジでした。

100人収容可、宴会にもどうぞ

　李課長はこのお店を知った経緯について「高雄の超低温刺身マグロ船主さんの行きつけの店で、一緒に行ったことがあり、味が気に入ってそれから利用させていただいています」と話しました。

　たまには新鮮な魚介を使った台湾風味の日本料理はいかがでしょうか。ご家族でも気軽に来られるお店です。これだけ鮮度の良い魚はなかなか食べることは難しく、料理の内容からは十分にお値段以上の価値があります。お休みの日にでも訪問されてはいかがですか。

店内の様子。いけすでエビ、カニが泳いでいます

　お店の広さは50坪で、２階もあり100人収容可能です。宴会にもご利用いただけます。

（取材／ワイズコンサルティング・大坪豊）

御川屋
住所：高雄市苓雅区成功一路１３９号
電話番号：07-268-2829
営業時間：ランチ　 11：00～14：00
ディナー 17：00～21：00
定休日：なし（旧正月当日は休み）
駐車場：あり（隣にも有料駐車場）