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第9回 本拠地でもペダル踏み込め!自転車王国の巨人・ジャイアント


ニュース その他製造 作成日:2017年4月5日_記事番号:T00069835

台湾産業ココがスゴイ

第9回 本拠地でもペダル踏み込め!自転車王国の巨人・ジャイアント

 「自転車王国」として自転車製造でも名高い台湾。自転車で台湾を一周する映画『練習曲』(2007年公開、霍耀良監督)をきっかけにサイクリングブームが起こり、サイクリングロードの整備も進んでいます。昨年12月には台湾を一周する環島1号線(全長968キロメートル)が開通しました。

/date/2017/04/05/20giant_2.jpg台北世界貿易センター(TWTC)南港展覧館4階のど真ん中にジャイアントのブースがありました(YSN)

 そんな台湾で毎年開催されているのが、アジア最大の自転車見本市、台北国際自行車展覧会(台北インターナショナルサイクルショー)です。自転車製造の世界最大手で、台湾のサイクリングブームにも貢献してきた巨大機械工業(ジャイアントMFG)は今年、注目商品として、電動アシストマウンテンバイク(MTB)「E+」、および女性向けクロスバイク「BeLiv(ビリーブ)2」を展示していました。しかも、従来は自転車が盛んな欧州向け輸出が中心でしたが、今は台湾でもニーズがあるので、これらの商品を台湾でも発売するとのこと。

 いわゆるママチャリ(シティーサイクル)なら量販店で3,000台湾元あれば買えます。高価なマウンテンバイクやクロスバイクが本当に台湾で売れるのでしょうか。

老いも若きも電動MTB

 まず、マウンテンバイクといえば、競技やレジャーとして山道を駆け下りるというイメージ。どうして電動アシストが必要なの?と素人考えでブース担当者に質問してみました。すると、「登りで電動アシストを使えば、体力を温存できる分、もっと何度も山下りが楽しめるでしょう」との回答。な、なるほど~??

/date/2017/04/05/20mtbele_2.jpg「E+」が台湾に凱旋(YSN)

 「電動アシストがあれば、若い男性だけでなく、年を取っても大丈夫だし、あなたや私のような女性だって乗れるわよ」。で、でも台北でこんなハイスペックなマウンテンバイクに乗るような場所があるの?と訊ねると、小柄な女性担当者に「陽明山でも乗れるわよ。今度一緒に行きましょう」と誘われてしまいました。

 確かに「E+」は街中でも乗れるので、自宅から電動アシスト機能を使って移動すれば、現地到着後にサイクリングを十分に楽しめそうです。

 ちなみに「E+」は、ヤマハ発動機の電動アシストユニットを搭載しており、トルク(ペダルを踏む力)は80Nm(ニュートン・メートル)。1回のフル充電で4~5時間、100キロメートル以上走行可能。「Full E+」「Dirt E+」「Fast E+」「Aimez E+」の4種類あり、販売価格は6万8,800~14万8,000元です。

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スポーツタイプ初心者に最適

 とはいえ、運動音痴には敷居が高い…と思っていると、何ともおしゃれな「BeLiv 2」に目がいきました。ブース担当者によると、初代「BeLiv」が日本で好評だったので、「BeLiv 2」の台湾市場投入が決まったそうです。

/date/2017/04/05/20beliv_2.jpgスタイリッシュな「BeLiv」(YSN)

 オシャレな展示コーナーには、女性の来場者がひっきりなしに訪れています。フランスの「B'TWIN(ビトウイン)」ブランドの自転車に乗っているという30代の台湾人女性は、カラーがきれいで、特に白や水色が気に入ったと話していました。

 「BeLiv 2」の主な特徴は、(1)スカートでも乗りやすいよう、フレーム部分が低めに設定されている(2)タイヤ模様が工夫されていて、雨の日でもブレーキが効きやすい(3)初めてドロップハンドルを使う女性を想定して、ブレーキが左右だけでなく、真ん中寄りにも付いている──。

/date/2017/04/05/20liv_2.jpg慣れないうちはハンドルの真ん中を握っても(YSN)

 またまた素人考えで、ママチャリの方が乗りやすいのに、何のためにクロスバイクに乗るの?と聞いてみると、前傾姿勢になるので、運動量が全然違うとの回答。単なる通勤通学などの移動の足ではなく、スポーツをするため、初めてドロップハンドルのクロスロードバイク購入を考えている25~35歳の女性をターゲットに作られたそうです。男性の利用も大歓迎だそうですよ。

 「BeLiv 2」は1万5,800元、後輪タイヤ部分に荷物を留められる「BeLiv 2 City」は1万6,800元。このほか、フラットハンドルのシティサイクル「BeLiv F」(1万1,800元)があります。

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夢は台湾一周?

 こうした高価な自転車は、台湾のサイクリングブームが一巡し、ニーズが多様化してきた表れではないでしょうか。それに、娯楽が少ないといわれる台湾ですが、街中や川沿いなどにはサイクリングロードが整備されており、サイクリングなら一人でも家族や友人と一緒にでも、若くても年を取っても楽しめます。

 皆さんも台湾の暑くて長~い夏がやって来る前に、サイクリングに出掛けてみませんか。最終目標はもちろん、台湾一周?!

ワイズメディア 青木樹理

台湾産業ココがスゴイ