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第14回 台湾スイーツ界のスタバ!おひとりさまにもミートフレッシュ


ニュース 商業・サービス 作成日:2017年9月22日_記事番号:T00073017

台湾産業ココがスゴイ

第14回 台湾スイーツ界のスタバ!おひとりさまにもミートフレッシュ

 スイーツ男子ではなくても、頭を使うビジネスパーソンの皆さんなら、甘いものが無性に食べたくなることがありませんか。コンビニスイーツも手軽でいいですが、素朴な台湾スイーツの鮮芋仙(ミートフレッシュ)でリフレッシュしてはいかがでしょうか。

/date/2017/09/22/1709koram5_2.jpg日本人にとっても、なぜか懐かしい味がします(YSN)

 ミートフレッシュは、仙草というシソ科の植物を使った黒いゼリーや、タロ芋やサツマ芋を使ったお団子、豆乳を固めた豆腐のような豆花など、台湾スイーツの定番メニューがそろっています。冷たいメニューや温かいメニューを季節に合わせて選べるし、ケーキのように甘過ぎないので、甘党でない筆者は昔よく利用していました。最近あまり見掛けなくなったなと思っていたところ、台北MRT(都市交通システム)国父紀念館駅近く、いわゆる「東区商圏」に台北忠孝旗艦店がオープンしたというので、足を運んでみました。

/date/2017/09/22/1709koram6_2.jpg旗艦店は忠孝東路四段の大通りに面しています(YSN)

 中国語だけでなく、英語や日本語、韓国語表記のメニューや土産物の販売コーナーを目にして、もしや「ザ・観光客用」のお店に変わってしまったのかなと不安がよぎりましたが、のど越しのよい仙草ゼリー、QQ(モチモチ)な歯応えのタロ芋団子を食べて「こんなにおいしかったんだ」というのが正直な感想です。平日夕方、広々とした店内には、外国人観光客のグループだけでなく、台湾の家族連れやカップル、女性2人組、そして「おひとりさま」の男性が3人も。そこで疑問がムクムク。ミートフレッシュのターゲットは一体?

世界9カ国で500店以上

 というわけで、ミートフレッシュを2007年に創設した休閒国聯集団(イージーウェイグループ)の古志偉総経理に話を聞いてみました。18~25歳の女性がメーンターゲットで、来店客の7割が女性ですが、老若男女を問わず利用されているとのこと。旗艦店は、ミートフレッシュのブランドを広める役割を担っており、海外から台湾に来た観光客を含め、たくさんの人に知ってもらうことが目的と話してくれました。

 実はミートフレッシュは、東京で今年3店を出店しており、▽台湾▽中国▽韓国▽ベトナム▽オーストラリア▽ニュージーランド▽米国▽カナダ──を合わせた9カ国・地域で500店以上を展開している国際ブランドに成長していました。

誰もが食べ慣れた食材

 ですがミートフレッシュの台湾スイーツは、台湾人や中国人にとって、子どものころにお母さんに作ってもらって食べた懐かしの味。台湾を観光に訪れた外国人なら分かりますが、海外の現地でも受け入れられるものなのでしょうか。

/date/2017/09/22/1709koram1_2.jpg温和な古総経理。店長や店員に気さくに声を掛けていました(YSN)

 すると古総経理は、「日本にもサツマ芋やアズキがありませんか」と問い掛けてきました。ミートフレッシュの材料は主食だったり、おかずだったりと姿は異なりますが、世界各地で食べられている農産物で、食べ慣れているものなのですよと説明してくれました。なるほど納得です。

 ミートフレッシュは世界各地の店舗で、同じ味を提供しており、仙草、タロ芋、冬瓜(とうがん)などの主要材料は台湾から送り、あずき、ピーナッツ、緑豆(リョクトウ)、蓮の実などは現地で調達しているそうです。

 面白いことに、一番人気は「鮮芋仙スペシャル」(仙草シャーベット+仙草ゼリー+タロ芋+コーヒーフレッシュ。台湾の販売価格70台湾元)、2番人気は「タロ芋団子4号」(タロ芋+あずき+タピオカ。70元)と、世界中の店舗で共通しているそうですよ。

地域別マーケティング

 では、世界中のどの店舗も同じ作りなのでしょうか。古総経理は、ミートフレッシュのロゴや味といったブランドの核心は同じですが、マーケティング戦略は変えているとのご説明。メニューも8割の定番商品は世界共通で、残り2割が国によって違うそうです。例えば日本では、抹茶を使った限定商品を提供したり、イチゴを使うなど見た目の彩りも工夫しています。台湾人は色より香(におい)、香より味を重視しますが、日本人はいずれも重視しますものね。

 店舗の内装も、台湾に対する好感度が高い日本では、ミートフレッシュが台湾ブランドとすぐに分かるように、赤い小物を飾るなど台湾らしい店づくりをしている一方、米国の店舗は現代的でスタイリッシュな雰囲気だそうです。

 また、物価などを考慮して国によって価格設定も異なり、例えば日本では「鮮芋仙スペシャル」が850円、「タロ芋団子4号」が800円。台湾が最もお手頃だそうです。

南山広場に旗艦店

 ミートフレッシュは、今年末か来年初めロンドンに出店し、欧州進出を果たすほか、タイ、シンガポール、ミャンマーにも出店する予定です。18年には、台北101に次ぐ超高層ビルとなる台北南山広場ビル(台北市信義区)にも新たな旗艦店を出店するそうです。

/date/2017/09/22/1709koram2_2.jpg古総経理は、1カ月の半分は世界中を飛び回っているそう(YSN)

 古総経理がミートフレッシュに加わったのは09年で、中国の昆山市で海外1号店をオープンしたのが翌10年6月。これほどの成功の秘訣は?と尋ねると、「あくまでチームの力」「成功とはいえません。成功に向かって歩みを進めているところです」と謙虚なお答え。目指しているのは、20年、30年後にも「スイーツ界のスターバックス」になることですと話してくれました。

 奇しくもワイズニュースと同じく今年10周年を迎えたミートフレッシュ。ワイズニュース読者にメッセージをお願いすると、「鮮芋仙のスイーツはどこよりもおいしいので、ぜひ食べに来てください」とのことでした。

ワイズメディア 青木樹理

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