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第11回 ASUS陰の立役者!アフターサービスの皇家倶楽部


ニュース 電子 作成日:2017年6月27日_記事番号:T00071344

台湾産業ココがスゴイ

第11回 ASUS陰の立役者!アフターサービスの皇家倶楽部

 格安スマートフォンZenFoneシリーズで日本人の間でも知名度が一気に向上した華碩電脳(ASUS、エイスース)。世界シェアはまだまだとはいえ、地元の台湾では同じく地場ブランドの宏達国際電子(HTC)を上回り、3位に付けています。アイデアあふれる製品力やコストパフォーマンス(CP)の高さが魅力ですが、台湾全土13カ所に構えるアフターサービスセンターの皇家倶楽部(ASUSロイヤルクラブ)によるサポート体制も台湾人に広く支持されている隠れた理由ではないでしょうか。

/date/2017/06/27/05koram_2.jpg

スマホが充電できない!

 かくいう筆者も台湾ブランドを応援する気持ちから、ASUSのスマホZenFone3を愛用しています。ところが最近、「寝る前に充電器にセットしたのに、朝起きたらバッテリー残量が数%しか残っていない…」ということが度々起こるようになりました。

 スマホ依存症ではありませんが、これでは業務に支障が出る恐れもあります。会社近くの電子製品販売店で相談してみると、ここでは修理センターに送るだけで、どこが故障しているか、修理可能か、修理費用はいくらかかるかなど何も分からないよと、皇家倶楽部を勧められました。

 確かに何も分からなければ、修理せずにスマホや部品を買い替えた方がいいのかも判断が付きません。そこで台北MRT(都市交通システム)善導寺駅出てすぐにある皇家倶楽部・光華館に行ってみました。

/date/2017/06/27/20asus_2.jpg台湾によくあるボロめのビル4階に上がると、こざっぱりとした明るい雰囲気の皇家倶楽部がありました(YSN)

 ところが窓口のお姉さんに「じゃあ3~5営業日お預かりします」と言われてガックリ!結局スマホなしで数日間生活するのかと迷っていると、案内されたのが「スマホ1時間クイック修理サービス」。え~早く言ってよ…。

1時間で正規修理

 ASUS広報部によると、スマホを肌身離さず利用している現代人のニーズに応えるため、できるだけ早く修理してあげたいとの思いから、2015年1月に始めたのがスマホ1時間クイック修理サービスです。ASUSの公式サイトか電話で事前予約すれば、保証期間内、部品の在庫があればという条件付きですが、わずか1時間で修理してもらえます。事前予約がなくても、空きがあれば当日利用できるそう。街の修理屋さんでも1時間修理は可能かもしれませんが、皇家倶楽部はASUS正規のアフターサービスセンターなので安心です。

/date/2017/06/27/20asus1h_2.jpg台湾初のスマホ1時間クイックサービス(YSN)

 こうした1時間修理サービスを行っているブランドは台湾ではASUSと小米科技(小米、シャオミ)のみとのこと。シャオミは北部と南部の2拠点だけですが、ASUSは台湾各地の皇家倶楽部13店舗(光華、師大、士林、板橋、中壢、新竹、宜蘭、英才、逢甲、嘉義、台南、建国、左営)で対応できるのが強みだそうです。

/date/2017/06/27/20asusroom_2.jpg雑誌やテレビ、10元の自動販売機があるので、皇家倶楽部内で1時間のんびり待ってもいいかも(YSN)

 ちなみに筆者は窓口で予約し、当日スマホを差し出すと、修理担当の窓口のお兄さんに「スマホ本体の充電差し込み口がグラグラしているね」と言われました。そんな状態で本当に1時間で修理できるのかな~と思いつつ1時間後。「はい!」と渡されたのはスマホと新品の充電ケーブル。筆者の取り扱いが雑で充電ケーブルの調子が悪くなり、単に接触不良だったというオチでした。1時間さえ不要でしたね。

親切・分かりやすい・スピーディー

 皇家倶楽部は01年、購入した店舗経由で修理に出すといった従来の消費者の手間と時間を省くために、設立されました。ASUS製品のユーザーであれば、台湾各地のいずれの皇家倶楽部も利用可能という試みはユーザーに支持されただけでなく、他社の追随が相次いだそうです。

 その後、皇家倶楽部は進化を遂げ、製品を預けた店舗ではなく、例えば子供の学校や出張先の近くといった別の店舗で修理済み製品を受け取ることもできるようになりました。時間がない人は、車から下車せずに皇家倶楽部の1階で受け取るといった融通も効きます。皇家倶楽部まで出向くことができないときは、コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン経由で製品を発送したり、受け取ることも可能です。修理が必要か迷ったときは、電話ホットラインのほか、アプリ「MyASUS」のチャットサービスで相談することができます。

/date/2017/06/27/20asuseco_2.jpg不要になった電子製品の引き取りサービスも行っています。ASUS以外の製品も歓迎とのこと(YSN)

 料金は修理内容ごとに明示されており、もちろん保証期間内は原則無料。実際の利用者は、▽スマホ、50%▽ノートパソコン、40%▽その他、10%──。「グローバルサービス」対応製品なら、例えば日本で購入した製品でも、台湾含む世界各地でアフターサービスが受けられます。

 皇家倶楽部に寄せられた利用者の声は「スタッフが親切」「説明が分かりやすい」「すぐに修理してくれた」などなど。まさに筆者の感想と同じです。

 ASUSにワイズニュース読者へのメッセージをお願いすると、「日本人の消費者はアフターサービスに対する要求度が世界で一番高いので、製品だけでなく、アフターサービスでも日本のユーザーに認められるよう努めていきます」とのこと。

 確かに皇家倶楽部は、高級ホテルのような雰囲気や丁重な接客ではありません。ただ、必要最低限以上が満たされていて、親しみやすい感じで悪くないですよ。ん?ASUS製品のイメージとなんだか重なりますね。

ワイズメディア 青木樹理

台湾産業ココがスゴイ