ニュース 商業・サービス 作成日:2017年7月20日_記事番号:T00071804
台湾産業ココがスゴイ日本人の間で娯楽が少ないと言われている台湾ですが、皆さま余暇をいかがお過ごしでしょうか。観光地に出掛けたり、飲み屋街に繰り出したり、自宅でゆっくり過ごすのも悪くありませんが、「自宅のようにくつろげる」映画館で映画鑑賞はいかがでしょうか。
2015年12月オープンの新しい映画館です(YSN)
「お薦めの映画がある」ではなくて、「お薦めの映画館があるから!」と友人に連れて来られたのが喜楽時代影城(センチュリーアジア)。台北MRT(都市交通システム)板南線の南港駅を出てすぐの複合商業施設「シティーリンク」南港店の11~14階に入っています。
友人は、台北市内ながら空いているし、小さい部屋がたくさんあるので、マイナーな映画もいろいろやっているから穴場なのと言いつつ「いい席を押さえないとね」と、まず11階のチケット売り場に直行しました。そこで「1列目の真ん中は空いていますか?」と尋ねる友人。え、狭いんだったら最前列はスクリーンに近過ぎるってばと抗議したのですが、友人は「特等席だから毎回そうしてる」と譲りません。
ところが入場して納得。なんと、同じ料金なのに最前列はオットマン(足置き)まで付いているではありませんか。スクリーンまでの距離が十分に取ってあるので、全画面がよく見え、もちろん前の座席の人の頭が邪魔ということはありません。
足置きがあるのは14階だけ、お間違いなく!(YSN)
最前列だけでなく、全席に肘置きもあります。女性なら頭も持たせかけることができる高さの背もたれで、クッションもフカフカ。そのせいか、筆者らより年上と見受けられる人々が続々と来場してきました。それでも31席の小じんまりした部屋に観客は15人ほど。筆者は普段、周りの人の動きが気になったり、ずっと座っているとウズウズしてくるのですが、まるで自宅のソファーでくつろいでいるかのよう(自宅にソファーはありませんが…)。最後までゆったりした気分で映画を鑑賞することができました。
ちなみに見た映画は「ターシャ・テューダー静かな水の物語」。自然に囲まれてスローライフを送ったアメリカの絵本作家、ターシャ・テューダー(2008年没)のドキュメンタリー映画だったので、より一層くつろげたのかもしれません…。
台湾最多25スクリーン
友人の説明はなかなか的を得ていたようで、センチュリーアジアの理念は、誰にも自分自身が見たい映画を見てもらうこと。スクリーン数は25で台湾最多。延べ上映回数と作品の選択肢でも台湾最多をうたい、週に38~45本もの映画を上映しています。
話題の作品が中心ですが、日本や韓国の作品も上映しているので、日本や韓国映画好きの来館も多いとか。やはり平日の夜や休日に人出が多く、入場者数は月平均延べ5万~7万人だそうです。
個性的な4フロアー
センチュリーアジアの工夫はそれだけではありません。各フロアーにテーマを設定しているのが他の映画館との最大の違い。
筆者らが映画を見た14階には、古い映画のポスターが貼られた、落ち着いた雰囲気のリラックスコーナーがありました。映画鑑賞前や鑑賞後に、同行者と腰を落ち着けて語り合うことができそうです。
14階は「人文芸術エリア」(センチュリーアジア提供)
13階は「親子レジャーエリア」(センチュリーアジア提供)
階下はカラフルで何だか楽しそうな雰囲気と思えば、13階には子供用の遊戯施設がありました。12階では生演奏を聞いたり、大画面でスポーツ観戦ができます。11階は食材や水の品質にこだわった喫茶コーナーがあり、腹ごしらえもバッチリです。
12階は「音楽リラックスエリア」(センチュリーアジア提供)
11階は「美食饗宴エリア」(センチュリーアジア提供)
上映作品が豊富なので、大勢で来館してそれぞれ好きな映画を見て、休憩コーナーで待ち合わせといった楽しみ方もできますね。南港エリアで働くビジネスパーソン、周辺で暮らす家族連れ、カップルや友人同士と、さまざまな客層のニーズを満たしてくれそうです。
台北MRTのほか、台湾鉄路(台鉄)、台湾高速鉄路(高鉄)の南港駅や、バスターミナル、24時間営業の立体駐車場もあるので、交通の便も良好です。
31人集まれば貸切も
一方センチュリーアジアは、気の合う仲間同士で、同じ映画を見るのもお薦めだそう。というのは、最も小さい部屋は31人収容。団体チケットなら1枚220台湾元なので、31人分を予約すれば、わずか6,820元で貸し切りができます。収容人数100人以上などの他の大型映画館と比べると、低予算で済みますね。
一緒に映画を見に行った友人に聞いてみると、以前働いていた会社では半年に1回、社員と家族向けの映画鑑賞イベントがあったそうです。台湾ではよくある福利厚生なんですって。
また、映画鑑賞でなくても、シアターレンタルが可能です。利用料金は2時間6,820~2万2,660元と、部屋の座席数(31~103席)によって異なりますが、比較的お手ごろ。映画館に付き物のコーラとポップコーンセットも特別料金90元と、通常料金150元よりお得に注文できますよ。
シアターレンタルでは、新製品や新書の発表会、VIPイベントなどのほか、尾牙(忘年会)、新年のカウントダウンや、誕生日パーティー、プロポーズにも利用できるとのこと。まずは下見がてら、今週末は映画を見に行きませんか。
ワイズメディア 青木樹理
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