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第10回 ワンパターンに再見!?台湾土産のセレクトショップ好好集


ニュース 商業・サービス 作成日:2017年5月22日_記事番号:T00070688

台湾産業ココがスゴイ

第10回 ワンパターンに再見!?台湾土産のセレクトショップ好好集

 帰国の際、空港でいつも定番のパイナップルケーキを慌てて買い込み、日本本社の同僚や家族から「もう飽きた」と言われている方はいらっしゃいませんか。とはいえ、わざわざ有名店まで足を運ぶのは少し面倒。デパ地下なら数々の有名店が集まっていますが、台湾各地の隠れた名産品を集めた新光三越百貨の「好好集(グッドグッズ)」で新規開拓はいかがでしょうか。

/date/2017/05/22/20shop_2.jpg台湾歴が長くても知らなかった商品にワクワク(YSN)

お取り寄せグルメ気分

 好好集は、新光三越がこれまでに開催した数々のイベントで知った台湾全22県市の名産品を、いつでも購入できるようにしたいと考え、創設した新光三越の自社ブランドです。2015年7月に新光三越の台北信義新天地A4館に1号店をオープンし、今は▽台北南西店▽台北駅前店▽台北信義新天地A11館▽台中中港店▽台南新天地──と北部、中部、南部の計6店にあります。ターゲットは、地方の名産品が大好きな人、生活の質にこだわる人だそうです。

 少し値段がお高いから外国人観光客向け?と思っていましたが、台北駅前店で聞いてみると、確かに台北駅前店は周辺にホテルが多いので外国人が多いのですが、信義新天地や台中の店舗は近所に住んでいる台湾人が中心だそうです。

 手土産なら普通は地元の名産品を持参するのでは?と尋ねてみると、自宅で家族と少しいいものを食べるために購入する人が多いとのこと。日本のお取り寄せグルメブームと同じですね。従来は食べられればそれで十分という考えが主流でしたが、近年の食品安全問題で、少し値段が高くても安心できるものを求める傾向が高まっているそうです。そして、遠方に住む実家や親戚の家を訪問する際、「おいしいものを見つけたよ」と地元の名産品でなくても手土産にすると説明してくれました。

 台湾では今月30日の端午節(旧暦5月5日)連休をはじめ、春節(旧正月)、中秋節(旧暦8月15日)などが贈答品のシーズン。台湾人は久しぶりに会う人に贈り物を渡すことで、人と人のつながりを確認し合うのだとも話してくれました。

/date/2017/05/22/20set_2.jpg各社の商品を詰め合わせた贈答品セット(YSN)

 ちなみに、主な購入層は30代以上。贈答品は500台湾元、目上の方には1,000元前後が多く、会社の贈答にもよく使われているそうです。

日本人の定番以外にチャレンジ

 売れ筋商品は、台湾人ならエッグロールや調味料類、日本人はもちろんパイナップルケーキやドライフルーツ、お茶やハチミツ、中国人はポークジャーキーと、それぞれ特徴があるそうです。最近、香港人の女性には、お湯や水で溶いて飲む「有機蜂蜜しょうが汁(オーガニック・スイート・ジンジャー・ジュース、350元)」がよく売れているとか。レジの後方に張り出してある人気商品のランキングでも、パイナップルケーキは何と4位。日本人以外の来店客も多い証拠ですね。

/date/2017/05/22/20good_2.jpg

 日本人の方にも違う商品を試してほしいと言われたので、お薦めは?と訊ねると、▽お米100%で歯ごたえがよい純米ビーフン(50元~)▽サツマイモを練り込み消化がいい麺線「紫風風乾麺線」(179元)▽麺類やご飯に載せてそのまま食べられる台湾のラー油──を挙げてくれました。

/date/2017/05/22/20mifen_2.jpgパッケージもかわいいビーフン。他に袋入り(50元)も(YSN)

 そういえば、好好集で以前ビーフンを購入し、料理好きな友人にプレゼントすると、コシがあってとてもおいしかったと言われましたっけ。どんなお土産を買って帰っても「パイナップルケーキがやっぱり一番」と繰り返していた筆者の実家も、喜利廉のアーモンドクラッカー(65元~)だけは毎回頼まれるようになりました。もちろん、陽光九九のパイナップルケーキもしっとりおいしく好評です。6個入り(250元)と小ぶりなパッケージで、スーツケースに入れやすいのも助かります。

/date/2017/05/22/20almond_2.jpg喜利廉はアーモンドクラッカー創業店。自宅用と贈答用があります(YSN)

 好好集は、寡黙な職人や起業した若者が作った、マーケティング下手でそれほど知られていない素敵なものを紹介しているんだと台北駅前店の店員さんは話していました。では、こうした心トキメク商品を一体どうやってセレクトしているのでしょうか。

商売ベタを支援

 新光三越によると、販売している商品は現在、調味料類や食品、各地の名産品など120種類以上。▽農薬を原則使わない、手作りの農家▽心を込めて経営している老舗店▽地元で起業した若者のブランド──のいずれかに合致し、社内の審査を通過した商品のみを取り扱っています。商品の品質や成分に問題はないか、定期的な検査も実施しているそうです。

 百貨店といえば、通常はテナントを集めたものですが、新光三越自ら商品をセレクトしている好好集。平日夕方も、観光客だけでなく地元客が絶えず来店していました。価格の安さや量の多さより「ちょっといいもの」を求めるようになってきた台湾で、これからも消費者とこだわりの生産者の縁をつないでほしいものですね。

ワイズメディア 青木樹理

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