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第13回 ユニバから世界に届け!エイサー初のスマートウオッチ


ニュース 電子 作成日:2017年8月28日_記事番号:T00072539

台湾産業ココがスゴイ

第13回 ユニバから世界に届け!エイサー初のスマートウオッチ

 19日に台北市で開幕した第29回ユニバーシアード競技大会は、世界141カ国・地域の選手7,700人による熱い戦いが繰り広げられ、いよいよ残すところ30日までのあと2日となりました。今回は、台湾にとって史上最大規模となる国際スポーツ大会を成功させようと、企業から15億台湾元相当の協賛金が寄せられました。その中で、訪台した選手やスタッフ、審判らが快適に生活できるよう、そしてメードイン台湾(MIT)の良さを知ってもらおうと1万3,000個配布されたのが、交通系IC「悠遊カード(イージーカード)」機能付きの腕時計型ウエアラブル(装着型)端末「Acer Leap Ware(エイサー・リープ・ウエア)」です。

/date/2017/08/28/20koram4_2.jpg台湾男子バレーボール界のイケメン双子、劉鴻敏と劉鴻杰がリープ・ウエアをアピール(台北市政府リリース)

悠遊カード機能付きベルト

 リープ・ウエアは、台北ユニバーシアードに合わせて作られたスポーツ用のスマートウオッチ。わずか37グラムの軽さで、歩数計、ランニング記録や、心拍数、ストレス、疲労度チェックなどが可能です。耐水性能IPX7を備えるほか、台湾で必須(?)の機能として、紫外線の強さを3段階で表示する上、バッテリーは充電なしで3~5日使えるので、山に海にと大活躍。スマートフォンの着信を通知したり、音楽再生機能を操作したりもできます。

/date/2017/08/28/20koram1_2.jpgリープ・ウエアの画面は1.6インチ。コーニング「ゴリラガラスSRプラス」で傷つきにくく、LED(発光ダイオード)ライト内蔵で夜間のランニングも安心です(エイサー提供)

 とまあ、ここまでは一般のスマートウオッチとそれほど変わりませんが、交換可能なベルト部分に悠遊カード機能が搭載されているのがいいですね。MRT(都市交通システム)やバスに乗車したり、コンビニエンスストアなどで買い物するときに、わざわざお財布やモバイル決済できるスマートフォンを出す必要がないのは、忙しいビジネスパーソンにもなかなか便利そうです。

 それに、スマートウオッチは毎日着用するので、意外と汚れやすいんです。ファッションに合わせてベルト交換するほど、おしゃれにこだわりがない方でも、ベルト交換式はポイントが高いです。

/date/2017/08/28/20koram2_2.jpg付属のベルトはオリジナルと台北ユニバーシアードのロゴ入りの2種類。一般用と選手用でロゴの色が異なりますが、本体の機能は同一です(エイサー提供)

 「そもそも選手じゃないから関係ないよ」なんて、おっしゃることなかれ。リープ・ウエアは20日から一般向けにも5,000台の数量限定、4,990台湾元で販売されています。

スタート出遅れ

 ところでリープ・ウエアは、パソコンブランド大手、宏碁(エイサー)が初めて発売したスマートウオッチです。同社は、スマートウオッチが注目され始めた2014年6月に「Liquid Leap(リキッド・リープ)」を発表しましたが、発売に至りませんでした。

 エイサーにスマートウオッチ発売の遅れについて尋ねてみると、台北ユニバーシアードに合わせたからとの回答。年内に5,000台を売り切る目標で、海外でも順次発売するとの説明でした。

 では現物を見てみようと、販売店に指定されている神脳国際(セナオ・インターナショナル)に行ってみましたが、リープ・ウエアがみつかりません。店員さんに聞いても、うちはサムスン電子の「ギャラクシー・ギア」とFitbit(フィットビット)しか置いてないよとつれないお答え。粘って調べてもらうと、展示品はなくて注文があれば取り寄せになるとのことでした。

 セナオの通販カタログには、リープ・ウエアをはじめ、スマートウオッチが11種類も掲載されています。最安値は「Fitbit Flex 2(フィットビット・フレックス2)」で990元(定価3,690元)、最高値はサムスンの「ギャラクシー・ギア3」で1万2,500元。男性ビジネスパーソンが付けても違和感がない高級感のあるデザインで、展示品を触ってみると、タッチパネルの反応もよく、とっても使いやすそう…。

/date/2017/08/28/05wear_2.jpg

 それに、エイサーとともに「ダブルA」と呼ばれる台湾のPCブランド大手、華碩電脳(ASUS)は早くも14年11月にZenWatchを発売し、今や3代目のZenWatch3まで出しています。調べてみると、悠遊カード機能が搭載されたベルト付きのZenWatch3も定価9,990元、インターネット通販サイトで7,990元で販売していました。

 こんな状況で、価格は中くらい、デザインはシンプルで、機能もほどほどなリープ・ウエアに勝ち目はあるのでしょうか。

 ただ、台北ユニバーシアードの公式サイトを見てみると、選手と同じスマートウオッチを購入できるのかとの問い合わせが数多く寄せられているようです。また、台湾で実際にリープ・ウエアを使用した選手ら1万3,000人が、自国に帰った後もリープ・ウエアを引き続き使ってくれれば、それを目にしたファンや周りの人達が興味を持つかもしれません。

 台北ユニバーシアードで活躍した選手をきっかけに、世界でリープ・ウエアが広がるといいですね。

ワイズメディア 青木樹理

台湾産業ココがスゴイ