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第17回 シェア以上の存在感!台湾地場コンビニのハイライフ


ニュース 商業・サービス 作成日:2017年12月26日_記事番号:T00074698

台湾産業ココがスゴイ

第17回 シェア以上の存在感!台湾地場コンビニのハイライフ

 コンビニエンスストアだらけの台湾ですが、ワイズニュースで「ハイライフが小型店500店展開へ、コンビニ大手2社と差別化」とお伝えした通り、3位の萊爾富(ハイライフ)が出店を拡大します。ハイライフ?台湾人の同僚にイメージを尋ねてみると、「面白くない」「興味ない」なんてツレナイ返事ばかりが返ってきましたが、実は大手4社で唯一の台湾発祥の地場ブランドコンビニです。

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地場商品を強化

 ハイライフは最も後発で、牛乳など容器入り飲料大手の光泉牧場(KCデイリー)が89年に台北市の迪化街で「萊爾富国際」を設立し、9店をオープンしたのが始まりです。当初は赤字続きでしたが、04年に店舗数が1,000店を突破、現在、約1,300店を展開しています。

 店舗をのぞいてみると、KCデイリーのパック牛乳がズラリ。それに、セブン-イレブンや全家便利商店(台湾ファミリーマート)であまり見掛けないような、メードイン台湾のスナック類も充実しています。

/date/2017/12/26/20bean_2.jpgお酒のおつまみや、日本へのお土産にも(YSN)

 ハイライフ広報部によると、やはり台湾地場ブランドの商品の取り扱いに特に力を入れているとのこと。また、冬のコンビニの定番といえばおでんですが、一部店舗では、台湾小吃(屋台料理)の定番煮込み料理「滷味(ルーウェイ)」も販売しています。

 また、近年コンビニでお馴染みの、購入金額ごとにポイントシールを集めれば特製グッズを特別価格で購入できるキャンペーンでは今夏、台南の帆布バッグブランド「広富号」とコラボレーションしました。キャラクターグッズなどには興味がない知人の台湾人女性(38)も、シールを集めてゲットした!と言っていました。こうした提携は、台湾ブランドを応援できる上、いつもと違う客層の開拓にもつながりますね。

/date/2017/12/26/20koram_2.jpgハンドメイドで味のある「広富号」(ハイライフ提供)

ここにもハイライフ

 ハイライフは、セブン-イレブンやファミリーマートに比べると出店ペースは緩やかで、市場シェアは1割余りしかない割には、よく見かける気がしませんか?

 観察してみると、ワイズのオフィスがある台北駅前周辺では、セブン-イレブンやファミリーマートに数では負けますが、ハイライフもしっかり店舗を構えています。ちょっと外れた住宅街の中ではコンビニ自体が少ないのですが、それがハイライフという確率がなぜか高いのです。そういえば、日本に一時帰国後、桃園国際空港に到着して、まず目にするコンビニもハイライフです。

/date/2017/12/26/20panda_2.jpg台北市立動物園内のハイライフ(ハイライフ提供)

 ハイライフ広報部によると、桃園国際空港のほか、台北駅バスターミナル近くや、高速道路のサービスエリア(新竹県の湖口湖南店、雲林県の古坑華山店、台南市の東山百榕店)にも店舗があります。また、台北市立動物園や猫空、淡水には観光地らしい外観や内装の店舗が。このほか、外国人が中国語を学ぶ語学センターがある師範大学、政治大学、輔仁大学をはじめ全土38校のキャンパスにも店舗があります。生活シーンで常にハイライフを目にするので、シェア以上の存在感を感じるのかもしれません。

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 とはいえ、売れ筋商品を中心に並べるコンビニで、差別化は難しいのではと尋ねると、ハイライフ広報部から、台湾地場ブランドだからこそ新しいアイデアを直ちに実行できること、そして店員の親しみやすさが一番の強みとの回答が返ってきました。確かに飽和するコンビニ市場では、こうした台湾のソフトパワーが強力な武器になるのかもしれませんね。

ワイズメディア 青木樹理

台湾産業ココがスゴイ