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19年11月の5大ニュース


ニュース その他分野 作成日:2019年12月4日_記事番号:T00087237

月間5大ニュース

19年11月の5大ニュース

【1位】ヌヴォトン、パナソニック半導体を買収

 華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)傘下のファウンドリー、新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)が28日、パナソニックの半導体事業会社の買収を発表した。来年6月に手続きを終える予定で、2億5,000万米ドルを投じる。第5世代移動通信(5G)、自動車向けなど今後の成長分野を強化し、中国の紅色供給網(レッドサプライチェーン)に対抗する狙いがあるようだ。

 買収によってヌヴォトンは、高周波(RF)モジュールに使用される窒素ガリウム(GaN)をはじめとする新技術や、6インチ、8インチウエハー工場の2基の生産能力を手に入れる。今後需要拡大が見込まれる5G対応スマートフォンや車載用カメラモジュール向けのイメージセンサーなどの新規受注獲得を目指すとみられる。

 ただ、パナソニックの半導体事業は赤字が続いてきたため、黒字化転換の手腕が課題となる。

【2位】JR東日本ホテルズ、海外初のホテル事業進出

 JR東日本ホテルズ(幹事会社・日本ホテル、里見雅行社長)は6日、五つ星ホテル「JR東日本大飯店台北(ホテルメトロポリタンプレミア台北)」を2021年初めに、台北都市交通システム(MRT)南京復興駅付近のビルでオープンすると発表した。同社初の海外進出となる。

/date/2019/12/04/20hotel_2.jpgホテル進出によって、JR東日本グループは台湾での存在感を高める見通しだ(6日=YSN)

 JR東日本グループは、18年3月に100%子会社、台湾捷爾東事業開発(JR東日本台湾事業開発)を設立、今年1月にオープンした商業施設「微風南山(ブリーズ南山、信義区)」にショッピングセンター(SC)「アトレ」などを出店している。ホテル進出によって台湾事業を拡大するとともに、JR東ブランドの認知度を向上させ、日本での集客につなげることを狙う。

 ホテル運営は、台湾最大級のホテルチェーン、福華大飯店集団(ハワードホテルグループ)系の福康投資と合弁会社「捷福旅館管理顧問」を設立して行う予定だ。

 JR東日本が賃貸を決めたビルは、昨年末に台北威斯汀六福皇宮(ザ・ウェスティン台北)が撤退しており、新たなテナントが注目されていた。JR東日本ホテルズの賃料は年間約4億台湾元(約14億3,000万円)との観測が報じられた。

【3位】メディアテック、初の5G対応SoC

 IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)は26日、同社初のスマートフォン向け第5世代移動通信(5G)対応システム・オン・チップ(SoC)「天璣(Dimensity)1000」を発表した。来年1月にも中国スマホ大手から搭載製品が発売される。同系列製品の来年の出荷見通しは6,000万セットで、台湾半導体産業全体に莫大(ばくだい)な商機をもたらすとみられる。

/date/2019/12/04/20mediatek_2.jpg蔡執行長(中)、TSMCの何麗梅副総経理(右5)ら。業界一丸で商機獲得を目指す(26日=中央社)

 同製品は競合製品を上回る性能で、オファー価格は約120米ドルと4G向けの数倍とみられており、期待が高い。台湾積体電路製造(TSMC)の7ナノメートル製造プロセスで量産が始まり、来年は6製品の投入が見込まれる。

【4位】京華城18年の歴史に幕、10万人が名残惜しむ

 台北市のランドマークだった大型ショッピングセンター(SC)、京華城(リビング・モール、松山区)が30日、18年にわたる営業を終了した。最終日は延べ10万人が訪れ、セール品を買い求めたり、特徴的な球形の外観の前で記念撮影を行い、閉店を惜しんだ。

/date/2019/12/04/20mall_2.jpg京華城は、近年にぎわう信義計画区や中山エリアに太刀打ちできなかった(30日=中央社)

 創業者の沈慶京・威京総部集団(コアパシフィック・グループ)主席は、皆を失望させる結果となり申し訳ないと涙ぐんだ。オープン初日に設計上の問題に気付いたがもはや手遅れで、累積損失額は130億台湾元(約460億円)まで膨らんでいたと明かした。

 京華城は今年9月の入札で、関係会社への売却が決定。2023年に19階建ての高級オフィス商業施設4棟が完成する予定だ。

【5位】中国スパイ疑惑、企業トップを出境制限

 「中国のスパイ」を自称する中国人男性、王立強氏が、香港上場の中国創新投資(チャイナ・イノベーション・インベストメント)を通じて昨年の統一地方選に介入、野党国民党の候補者を当選させるための情報工作を行ったとオーストラリアの情報機関に暴露し、亡命希望を表明したことが23日、同国メディアの報道で明らかになった。台北地方検察署(地検)は、中国創新投資の向心・董事会主席兼行政総裁と妻の龔青董事を国家安全法違反の疑いで立件し、26日に2人の出境を制限した。

/date/2019/12/04/20spy_2.jpg検察の事情聴取を終えた向氏(左)(27日=中央社)

 向氏は王氏から高級スパイと名指しされたものの、疑惑を否認している。台北市信義区などで高級住宅を購入したことが明らかになっており、目的や資金の出どころを含めて捜査の進展が待たれる。

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