【１位】国民党の総統選候補、韓国瑜市長に決定

　最大野党、国民党の総統選公認候補が韓国瑜高雄市長（62）に決定。政権奪回をかけて民進党の現職、蔡英文氏（62）に挑むこととなった。

韓氏が総統候補となったのは１年前には誰にも予想できなかったことで、国民党がポピュリズムに迎合した結果だ（中央社）

　同党の15日発表によると、予備選として行った有権者への電話世論調査で、韓氏は支持率44.8％を獲得し、対抗馬の郭台銘（テリー・ゴウ）鴻海精密工業前董事長（68）に圧勝した。韓氏は高雄市長就任からわずか半年余りで、「韓粉」と呼ばれる強固な支持層に支えられて異例の「スピード出世」を遂げるに至った。現職市長のまま選挙戦を戦うのは総統選史上初めてだ。

　韓氏は対中関係の改善や経済発展を有権者にアピールする方針。世論調査の支持率は現在、蔡氏と同水準で、今後、柯文哲台北市長や郭氏の参戦の有無が選挙戦の行方の大きな変数となる。

【２位】総統側近のたばこ大量密輸、前政権より常態化か

　蔡英文総統の外遊に同行した警備担当、国家安全局（国安局）の職員が22日、中華航空（チャイナエアライン）幹部を通じて、事前に購入した645万台湾元（約2,200万円）相当の免税たばこを不正に持ち込んだことが摘発された。捜査により、外遊に乗じた大量の免税たばこ密輸は馬英九政権時代から常態化していた疑いが強まり、検察は、購入の取りまとめ役など事件の核心を解明するため、国安局職員をはじめ全購入者および中華航空幹部らに対する事情聴取を進めている。

蔡総統は27日、市民に謝罪し、調査を徹底すると表明した（27日＝中央社）

　国安局は８月２日、今回の購入者は76人で計7,977カートンと発表した。大半の人は購入量が50～100カートンだったが、1,000カートン以上の購入者もいた。転売などによる不当利得が疑われる。

　中華航空も同日、2016年３月より違法な販売があったと発表し、今後は政府専用機からの事前予約を受け付けないなどの対策を示した。

【３位】エバー航空スト終結、過去最大の混乱も成果少なく

　長栄航空（エバー航空）客室乗務員が６月20日から行ったストライキは、労使合意に達し、10日付で終了した。同社便の混乱は19日まで続き、欠航便計2,200便、延べ約40万人の足に影響が出た。大混乱をもたらした割に、労使合意事項に組合の主要要求は盛り込まれず、成果は少なかった。

スト終結で、労組組合員が本社前に設置していたテントを片付けた（９日＝中央社）

　同社６月売上高は過去16カ月で最低を記録。正常化後の７月下旬に破格運賃キャンペーン実施で、利用者食い止めに努めた。ストは訪台旅行者数を８万人引き下げ、観光産業の損失が92億台湾元（約310億円）に上ったとの試算もある。

　スト後、労組の女性幹部が反対派社員の機内食への混入を話題にしていたことが判明。飛行の安全を損なうと解雇され、警察が聴取に乗り出す、後味の悪い展開もあった。

【４位】初のネット銀行、楽天など３行に認可

　台湾初のインターネット専業銀行として、▽将来商業銀行（ネクストバンク）▽楽天国際商業銀行（楽天インターナショナル・コマーシャル・バンク）▽連線商業銀行（ＬＩＮＥバンク）──が30日、金融監督管理委員会（金管会）の認可を受けた。サービス開始は来年上半期の見通しだ。

　楽天国際商業銀が楽天会員を顧客層に想定するなど、各行とも既存ユーザーや出資企業の利用者をターゲットに置く。低コストならではサービスで、既存銀行や電子決済業界を巻き込んでの激しい競争が予想される。

【５位】雲門舞集の林懐民氏、最後の演出公演

　台湾を代表する現代舞踊団「雲門舞集（クラウド・ゲイト）」の創立者でアートディレクター（ＡＤ）、林懐民氏（72）が引退を決め、最後に演出を務めた公演が27日、台北市の国家両庁院の芸文広場で行われ、４万人の観衆が熱の入ったパフォーマンスを見守った。

林懐民氏（中）は45年にわたり、数々の名作で観衆を魅了してきた（フェイスブックより）

　雲門舞集は1973年の設立。古典文学、民話、台湾の歴史などを、クラシックバレエやモダンダンスなど西洋的要素と、太極拳や気功など東洋的要素を融合させた独特の舞踊で表現してきた。鍛え抜かれた肉体を持つダンサーたちの、流れるような柔らかな動きが特徴だ。

　雲門舞集は欧米などで年間100日近い公演を行い、国際的にも高い評価を得てきた。