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19年10大ニュース【4位】エバー航空、台湾業界史上最大のスト


ニュース その他分野 作成日:2019年12月27日_記事番号:T00087668

月間5大ニュース

19年10大ニュース【4位】エバー航空、台湾業界史上最大のスト

 航空大手、エバー航空の客室乗務員が加盟する労働組合は6月20日、パーディアム(旅費日当)の引き上げなどを求めてストライキに突入した。宣言からわずか2時間後のスト入りで大きな混乱が発生、労使交渉は停滞し、異例の20日間にも及ぶ、台湾航空業界で史上最長かつ最大の影響をもたらしたストとなった。

/date/2019/12/27/19no04eva_2.jpgエバー航空の組合員ら。社会に与えた影響から、同社に対する信頼感は大きく失墜した(中央社)

 合計2,200便が欠航、約40万人の足に影響が及んだ。訪台旅行者数が8万人減少し、観光産業の損失は92億台湾元(約330億円)に上ったとみられている。しかも、最終的に組合側が得た成果は少なかった。

 中華航空(チャイナエアライン)も春節(旧正月)連休中の2月8日、待遇改善などを求めるパイロットがストに突入し、7日間で214便が欠航、延べ2万5,000人に影響が及んだ。

 旅行業界からは、相次ぐ突然のスト発動に、諸外国のようにスト予告期間を法制化すべきとの声が漏れた。

 この他、中堅の遠東航空(ファーイースタン航空)は5月17日、保有器材の老朽化問題から一部路線を突然一時運休し、12月12日には資金繰り悪化を理由に全路線の運航中止を発表した。翌13日には一転、資金繰りにめどが付いたとして事業継続を強調したものの、あまりに非常識な経営姿勢が問題視され、交通部から運航再開が許可されるめどは立っていない。

 来年1月には、新規フルサービスキャリア(FSC)の星宇航空(スターラックス・エアラインズ)が就航する。中華航空系とエバー航空系による寡占市場に、利用者の立場を重視する新しい風が吹き込まれることを期待したい。

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