ニュース その他分野 作成日:2019年12月27日_記事番号:T00087670
月間5大ニュース6月9日、香港で特別行政区政府が制定を目指す「逃亡犯条例」に反対する住民100万人以上のデモが行われた。当局への大規模な抗議活動は今月も続き、警察当局が見せた激しい鎮圧に台湾の市民は恐怖を感じて、中国が台湾統一のモデルとする「一国二制度」は、いかなることがあっても拒否すべきとの認識が決定的に広がった。
大学生ら若者の間に香港のデモを支持する動きが広がり、実際に現地に赴いた人もいた(YSN)
台湾では香港のデモ参加者が200万人に膨れ上がった6月16日、台北市中心部で大学生など約1万人がデモを支持する集会を開き、「きょうの香港は明日の台湾」と危機感を共有した。
香港の反中抗争は、台湾の総統・立法委員選挙情勢に大きな影響を及ぼした。民進党の現職、蔡英文氏は、昨年11月の統一地方選で同党が惨敗を喫したことから、当初総統選での勝利は困難とみられていた。今年6月初め時点でも、蔡氏は蘋果日報の支持率調査で、韓国瑜高雄市長(国民党)に約10ポイントの差を付けられていた。
しかし蔡氏は、香港デモに際して「一国二制度は実施不可能」と明言。香港への連帯と、台湾の主権・民主主義を守り抜く意思を強調して共感を集めた。香港で警察によるデモへの鎮圧が激しさを増した8月中旬、蔡氏は初めて韓氏の支持率を逆転、その後はリードを広げる一方となり、既にほぼ勝利が確実な情勢とみられている。蔡氏が再選を果たした場合、香港警察が学生・市民らに放った催涙弾が大きな要素となったことは疑いない。
「反中」で連帯深める
「反中」を背景に香港と台湾の関係が深まる現象も目立った。台湾によるデモへの支持姿勢は香港人を勇気づけ、青天白日満地紅旗がデモで頻繁に掲げられた。
自由時報の報道によると、6月以降の半年余りで、当局の弾圧を恐れる香港の若者200人が現地の秘密ルートを通じて台湾に脱出、台湾の一部教会もこれに協力しているという。また、台湾大学などは香港の大学生の受け入れを推進した。内政部の統計によると、今年1~10月に台湾の居留証を取得した香港人は4,352人で、年次ベースでの過去最高となった。
呉釗燮外交部長は12月、中国が香港のデモを武力で鎮圧する場合、台湾が香港人に居住面で協力する考えを示唆した。米国が台湾との関係強化措置を次々と打ち出すなど、台湾は今年、香港のデモによって、自由民主主義の華人社会の存在価値を改めて世界に示したといえる。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722