第31回 DVDをコピーすることの刑事責任


ニュース 法律 作成日:2008年10月15日

産業時事の法律講座

第31回 DVDをコピーすることの刑事責任

記事番号:T00010877

 
 台湾ではDVDをコピーすることは重大な犯罪に当たりますが、このことはあまり知られていません。

 ある日本企業が先日、台湾で開催された展示会で、同社が長期間販売していた健康器具とうり二つの健康器具を見つけ、弁護士に相談しました。

 その日本企業は、日本などの主要な国では健康器具に関する特許を申請していましたが、台湾では申請を行っていませんでした。また、その健康器具は特別な外観をしているため、意匠権を申請すべき価値もありましたが、それも申請していません。そのため、外観設計をコピーされてもそれを取り締まることはできないのです。

違法コピーは6カ月以上の懲役刑
 
 しかし、日本企業が使用している広告用DVDもコピーされて、付録としてそのコピー商品に一緒に梱包されていることに気が付きました。このような行為は台湾著作権法第91条の規定に違反する犯罪:「販売を目的とし、他者の著作を光ディスクに不法コピーする」に当たるため、6カ月以上、5年以下の懲役刑が科されます。たとえ自らが違法コピーをしたのでなく、他者より提供された違法コピー光ディスクを付録として使用していたとしても、同じく台湾著作権法第91条の規定:「違法コピーされた光ディスクを散布する」に抵触し、6カ月以上、3年以下の懲役刑が科されます。

 このような処罰は、一般の違法コピーまたは違法コピーしたものを販売する行為などに比べ、「6カ月以上」という最低刑期の制限がある分、重いものとなっています。

警察に通報、まず差し押さえを
 
 こうした状況で、この日本企業がとるべき行動は、まず警察に通報し、警察にその台湾企業の販売拠点または倉庫を捜索してもらい、違法コピーされたDVDを差し押さえてもらうことです。もし事前の調査が十分になされていれば、大量のDVDを差し押さえることができるばかりか、DVD製作工場の出荷伝票や領収書などの関連書類も同時に差し押さえることができるでしょう。

 法律に最低刑期が6カ月と規定されているため、刑期が6カ月を超えた場合には、関連法の規定により、刑期を罰金に代えることができません。つまりこの場合、その台湾企業は懲役を受けなければならない運命となるわけですから、比較的協力的となります。これを機にコピー製品の販売を止め、また日本企業に対し損害賠償を行う可能性もあります。

意匠権の登録
 
 もちろん、このような対応では、コピー商品が流通され続けることもあり得ます。また、違法コピーを行っている企業が別の名義を使用して、DVDを付録として付けずに同様の健康器具を販売した場合、または他者が同じことをした場合、この日本企業は同様の方法で措置を取ることはできません。

 つまり本当の意味でコピー商品を防ぐ方法は、製品が市場に流通する前に、台湾で意匠登録を行うことです。なぜならば、意匠登録の侵害は、外観設計がコピーされたことを台湾知的財産裁判所の裁判官が目で見てその場で判断するため、速やかに判決を受けることが可能だからです。今日のように国際的な商業競争が激しさを増している時代において、このような方法は一考の価値があるでしょう。
 
徐宏昇弁護士事務所
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