ニュース 社会 作成日:2023年7月10日_記事番号:T00109908
ワイズニュースこぼれ話日本に三重工場を持つ聯華電子(UMC)、熊本工場を建設中の台湾積体電路製造(TSMC)に続き、ファウンドリー(半導体受託生産)台湾3位、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)が5日、日本に12インチウエハー工場を建設する計画を発表しました。
台湾3社が日台の半導体協力の一翼を担うことに感慨深い一方で、PSMCの黄崇仁(フランク・ホアン)董事長を「九命怪猫」と評する台湾メディアの報道に目が止まりました。化け猫とは一体…?
パワーチップ、日本に12インチ工場設置へ 2023年7月6日
https://www.ys-consulting.com.tw/news/109861.html
DRAMメーカーから事業転換
「九命怪猫」とは、欧州で古くから言われる「A cat has nine lives(猫に九生あり、猫には9つの命がある)」のことで、ここでは「なかなか死なない」「しぶとい」という意味で使われています。
黄・董事長がテック業界で「九命怪猫」の異名で呼ばれているのは、パワーチップの復活劇が理由です。
かつてDRAMメーカーとして知られていた力晶科技(パワーチップ・テクノロジー、旧・力晶半導体)は、世界金融危機(リーマンショック)後のDRAM不況で、経営難に陥りました。
黄・董事長は11年11月、「もうDRAMメーカーとは呼ばせない」と、ファウンドリー事業の拡大を宣言。債務超過で12年12月に上場廃止となりましたが、14年に1000億台湾元(約4500億円)以上の負債を返済した上、事業再編でファウンドリー事業を集約した傘下のPSMCが、21年に上場を果たしました。
PSMCは台湾のほか、中国にも20%出資で2位株主のファウンドリー、合肥晶合集成電路(ネクスチップ・セミコンダクター)の12インチ工場があります。
台湾のニュースを見ていると、「九命怪猫」のほかにも、トヨタの新型高級ミニバン「アルファード」のような多人数乗れる車種を「保母車」「大T」と呼ぶなど、意外な中国語の表現を目にすることも。機会があればご紹介します。
青木樹理
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