ニュース 社会 作成日:2023年8月21日_記事番号:T00110651
ワイズニュースこぼれ話コロナ明けの夏休みを迎え、日本から友人が続々と台湾旅行にやってきます。約20年前に台湾の中国語学校でクラスメートだった友人も子供連れで再訪しました。夜の永康街の公園で子供を遊ばせながら、公園がきれいになったし、安心だねと話す中でポツリ。「昔は誘拐された子供の写真がテレビや新聞、町中の掲示板によく貼ってあったよね」。
台湾の変化を尋ねられると、日本食レストランが増えたとつい答えてしまう筆者ですが、街が整備され、清潔な空間が増えました。当時から治安がいいと言われていた台湾ですが、友人の言うように、治安に変化はあるのでしょうか。
犯罪件数、20年前の10分の1
内政部警政署の統計によると、治安情勢を観察する指標となる、暴力、窃盗、強盗、傷害、詐欺などの犯罪の発生件数は、今年上半期(1~6月)が2万981件で、2003年通年の39万7143件の半分と比べると、10分の1に減少しました。うち拉致・誘拐は、03年の73件が、22年は1件と激減しました。
自動車の窃盗は03年は4万8373件、バイクの窃盗が18万2233件で、合計23万606件でしたが、警政署が06年から防犯登録を開始したり、路上の監視カメラを増やした成果で、昨年は4629件まで減少しました。
財団法人保険事業発展中心(TII)の統計によると、06年の車両盗難保険の保険金支払件数は7771件、保険金支払い総額は20億6448万台湾元(約94億円)でしたが、昨年はわずか31件、587万元と、1%未満になりました。
犯罪の種類が変化
台湾最大のインターネット掲示板、批踢踢実業坊(PTT)に続き、近年若者がよく使う匿名SNS(交流サイト)の「Dcard」でも、治安が話題に上がっていました。ある投稿者は、痴情のもつれなど顔見知りの犯罪が増えたものの、1980年代は幼児誘拐、海外への連れ去り、90年代は銃撃事件が多かったのに比べ、治安は良くなったと感じるそう。
今年5月の3歳児の交通事故死をきっかけに、交通ルールが改善され、横断歩道で一時停止する自動車が圧倒的に増えました。より良い社会を作ろうと考え、行動する人が多い台湾だからこそ、治安が良くなり、暮らしやすくなったと筆者は感じています。
青木樹理
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