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作成日:2008年11月4日_記事番号:T00011321
月間5大ニュース
08年10月の5大ニュース!
【1位】「経営の神様」、王永慶氏が死去(15日)
「台湾の松下幸之助」「経営の神様」などの異名を持つ台塑集団(台湾プラスチックグループ)創業者、王永慶氏(91)が15日、工場視察に訪れた米ニュージャージー州で、睡眠中に心肺不全により死去した。最後まで事業の発展に尽くした一生だった。11月8日に長庚大学(桃園県亀山郷)で告別式が行われる。
貧しい家庭に育った王永慶氏は、持ち前の勤勉さと節約の精神で1954年に創設した台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)を世界屈指の石化グループに育て上げ、台湾では立身出世の象徴的な存在だった。急死を受け、馬英九総統が「台湾の核心的価値を代表する人物」と功績をたたえ、鴻海精密工業の郭台銘董事長も「台湾産業界最大の損失」と惜しむなど影響力の大きさを改めて示した。
台プラは今後はおいの王文淵・行政中心総裁を中心とする7人体制で経営を担っていくが、これまで王永慶氏が示してきた強大なリーダーシップを発揮できるかどうかが課題となる。
【2位】不況色濃く、株価5年半ぶり安値(27日)
米国発の金融危機拡大によって、不況の影が濃くなった。減産や人員調整の実施に踏み切る企業が相次ぐ中、高止まりする失業率(4.27%)や、IT(情報技術)バブル崩壊以来最低水準をつけた景気総合判断指数(12ポイント)など、悪化した9月の経済指標が相次いで発表された。
台湾株式市場も空売り全面禁止や値幅制限縮小などの緊急措置にもかかわらず、下落が続いた。加権指数の終値は27日、2003年3月以来の安値水準の4,366ポイントとなった。
一部のシンクタンクなどから、来年下半期には景気は上向くとの明るい見方も出ているが、彭淮南中央銀行総裁などからは、来年いっぱい回復は難しいという悲観的な予測も出ている。
【3位】海協会副会長への抗議事件、世論は批判(21日)
中国の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会(海協会)の張銘清副会長が21日台南市を訪問中、孔子廟で民進党の王定宇市議会議員と独立派の市民らの抗議を受け、もみ合いの中で転倒して臀部(でんぶ)などにけがをした。張副会長は翌22日、滞在予定を切り上げて急きょ北京に帰国した。
王市議らの行動に対し、世論は「行き過ぎ」と批判。一方、中国の幹部に対する警備の課題がクローズアップされ、陳雲林海協会会長が訪台しての中台協議は、厳重な警戒体制の中で行われることとなった。
王市議は30日、秩序妨害罪や傷害罪などで起訴され、懲役1年2月を求刑された。これに対しては「起訴までが速過ぎ、求刑も重過ぎで政治的意図は明らか」と反発している。
【4位】民進党の反中デモ、60万人が参加(26日)
台北市で25日、野党民進党主催の反中国・反馬英九政権デモが行われ、主催者側の発表によると60万人が参加した。
デモは「主権空洞化に反対」「無能な政府に反対」「一つの中国市場反対」などを訴えて総統府前まで行進。予想を超える大勢の参加には、政府による対中交流推進が性急過ぎるとして不安感を持つ人が多いことや、汚染粉ミルクなど中国の有害製品に対する不信感の高まりが背景にある。
蔡主席は就任後初めて指揮した大規模デモを成功させ、凋落(ちょうらく)する一方だった民進党は党勢をやや立て直した。一方で、同党としての対中交流の具体的な在り方も問われている。
【5位】猫空ロープウェー、台風直撃で半年運休(1日)
台北市の新観光スポットとして人気の猫空ロープウエーが、1日から台風による被害のため運休した。支柱を支える地盤の流出で、当初は運休1カ月としていたが、その後の専門家による調査で、半年間は運行を再開できない見通しとなった。
地元の台北市文山区では山崩れが多発したにもかかわらず、台風通過後にいったんは営業を再開。その後民進党の市議らにより、土壌の流出が指摘されていた。