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作成日:2008年7月2日_記事番号:T00008530
月間5大ニュース
08年6月の5大ニュース!
【1位】尖閣で遊漁船沈没、対日強硬姿勢に衝撃(10日)
10日未明、台湾の遊漁船「聯合号」が尖閣諸島・魚釣島(沖縄県石垣市、台湾名・釣魚台)周辺の日本領海に侵入し、海上保安庁の巡視船「こしき」と衝突して沈没した。魚釣島を自国領土と主張する台湾では、国民党強硬派の立法委員らが引っ張る形で対日批判が過熱。馬英九総統が12日に「釣魚台は中華民国の領土」との声明を発表し、劉兆玄行政院長も立法院で「開戦も辞さない」という答弁を行った。政府は日本に謝罪と賠償を要求するとともに、14日には抗議のために許世楷駐日代表を召還する事態に発展した。
結局、海上保安庁が沈没した遊漁船の船長に手紙で謝罪し、事態は沈静化をみたが、争議を棚上げして関係改善を図る中台の友好ムードとは対照的な対日姿勢に、李登輝・陳水扁の本省人総統時代とは大きく異なる日本観を持った政権が誕生した事実が浮き彫りにされた。
【2位】中台公式対話、9年8カ月ぶりに再開(13日)
12日北京で、江丙坤董事長を代表とする海峡交流基金会(海基会)と、陳雲林会長を代表とする中国側の海峡両岸関係協会(海協会)の間で、週末直航チャーター便の運航と中国人観光客の台湾訪問開放をテーマに公式協議が行われた。既に蕭万長副総統が就任前の時期に、また、呉伯雄国民党主席も馬政権発足直後に最高リーダーの胡錦濤中国主席と会談しているため新鮮味は薄れたが、公式対話再開は1998年10月以来9年8カ月ぶりで、中台交流史上で大きな意味を持つ区切りとなった。
翌13日は双方が合意書に調印し、チャーター便は当初週末に18便を運航することなどが確定した。また、陳雲林会長が台湾側の招きに応じ、年内に訪台する意向を示した。
【3位】人民元両替、スタート(30日)
域内の金融機関などで30日、人民元の両替業務がスタートした。中台間を往来する企業、旅行者にとっての利便性を大きく高め、中台経済関係の緊密化に寄与するとみられる。
人民元両替業務を許可されたのは、域内14の金融機関1,240支店および、ホテル、百貨店など67の「外幣兌換処(外貨両替所)」だが、初日の30日は、レートがそれほどよくなかったためか、両替しようという人の出足は鈍かった。
なお、7、8月の間は民間では両替手数料を取らない銀行がほとんどだが、一部では人民元買い取りのみ100台湾元(約350円)の手数料を取ったり、自行が販売した人民元のみを買い取る銀行もあるようだ。人民元は偽札が多いとされ、対策も課題となっている。
【4位】「小三通」が全面解禁、外国人も利用可能に(19日)
行政院は19日、2001年より金門島、馬祖列島と対岸の中国福建省との間で、金門・馬祖住民、在中ビジネスマンなどに利用対象を限って実施してきたフェリーによる中台直航、「小三通」を全面解禁することを決め、即日実施した。これにより、台湾人だけでなく在台外国人も有効なパスポートを提示すれば「小三通」の利用が可能になった。
解禁初日となった19日は、さっそく「小三通」を利用してアモイへ渡ろうとする旅行者で、台湾本島から金門へ向かう航空便は軒並み満席となった。
【5位】エンテロウイルス猛威、死者9人に(20日)
6月にピークを迎えたエンテロウイルスを原因とする感染症(腸病毒)は、29日時点での確定病例が272件、死者は9人に上った。9人目の死亡症例は4カ月の乳児だった。対策センター(腸病毒中央流行疫情指揮中心)は30日、前の週に65件だった重症ケースの報告件数が43件に減少したことから、「ピークは過ぎつつある」と発表した。
エンテロウイルス71型の感染は、夏風邪のような症状の手足口病を引き起こすことが多い。乳幼児に感染しやすく、休校となったクラスも多い。行政院衛生署疾病管制局は、予防のためよく手洗いをするよう呼び掛けている。