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08年10大ニュース!(番外編)


ニュース その他分野 作成日:2008年12月26日_記事番号:T00012536

月間5大ニュース

08年10大ニュース!(番外編)

 
【番外編】猫空ロープウエー運行停止、台北市長の責任は?

 昨年7月に開業したばかりの台北市の猫空ロープウエーは、今年9月の台風でT16支柱の土台下部の土砂が大量に流出し、10月1日から運行停止となった。
 
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支柱の下の穴に入ってみせる民進党の市議会議員ら。「穴があったら入りたい」と、郝市長と馬総統は思っているのかどうか(中央社)
 
 郝龍斌台北市長は当初、問題ないとして運行再開を指示していたものの、民進党市議らの実地調査で危険性が指摘され運休が決定。専門家による調査では、支柱を移転させる以外の方法はないという結論が示され、周囲の支柱の移転も含め復旧には2年以上かかるとみられている。

 12月には新たに別の支柱でも土砂流出が起きていることが分かった。民進党市議によると、支柱25本のうち16本までが崩れやすい脆弱(ぜいじゃく)な地盤の上に建てられており、建設前の地質調査に深刻な問題があったことが指摘されている。

 猫空ロープウエーは馬英九総統の台北市長時代に推進され、地盤の悪い場所に建設されるにもかかわらず、環境アセスメントが免除されるなど異常な速さで計画が進んだ。環境アセス免除の判断を行ったのは、当時環境保護署長を務めていた郝市長だ。

 実は、ロープウエーは開業当初からたびたびトラブルが発生、システムの安全性にも疑問符が投げ掛けけられていた。初めてトラブルを起こしたのは開通日の昨年7月4日で、クーラーもないゴンドラに閉じ込められたのは他ならぬ馬氏と郝氏の新旧市長だったのだが、2人の間でどんな会話が交わされていたのだろうか。

【番外編】尖閣で遊漁船沈没事故、対日強硬姿勢は揺り戻し

 6月10日午前、台北県所属の遊漁船「聯合号」が航行中に尖閣諸島の魚釣島(中国語名、釣魚台)海域の日本領海に侵入したとして、警備中の鹿児島海上保安部巡視船「こしき」に追跡され、接触して沈没した。「聯合号」の乗員、乗客16人は全員救助され石垣島に送られたが、何鴻義船長は身柄を勾留され事情聴取を受けた。
 
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尖閣に向かおうという台湾の抗議船。馬政権の当初の強硬姿勢は、日本側を驚かせた(中央社)  
 
 同事件を受け台湾では、就任して間もない馬英九総統が12日「釣魚台は中華民国の領土であり、日本に賠償を要求する」との声明を発表、台北県の周錫瑋県長や県職員らが台北市の日本交流協会前で、日の丸を破るなどして抗議活動を展開するなど一部で日本の対応に対する反発がヒートアップした。

 同事件は台湾メディアでは連日大きく報じられた。劉兆玄行政院長は立法院で国民党立法委員から「釣魚台防衛のために開戦も辞さないか」と詰め寄られ、「そうだ」と答弁。その後、許世楷駐日代表を台湾に召還するなど、これまでの親日的な李登輝・陳水扁政権にはなかった強硬な対日姿勢を見せた。

 しかし、急速な対中接近と反比例するような対日態度に世論は懸念を深め、政府はこれによって対日関係の重要性を再認識したもようだ。12月には王金平立法院長、呉伯雄国民党主席が相次いで日本を訪問。特に呉主席は「対日関係を重視したい」という馬総統の言葉を日本側の要人に伝えるとともに、「日本と特別なパートナーシップを築きたい」とアピールした。
 

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